2021年度「鑑賞者の想像斜め上をいく映画」ベストテンを独断と偏見で発表!



第3位『サマーフィルムにのって』


(C)2021「サマーフィルムにのって」製作委員会

女子高校生がビッグバンドを組んでジャズを演奏する『スウィングガールズ』(2004年)、地方高校の弱小演劇部が全国を目指す『幕が上がる』(2015年)、天才少女が競技かるたに奮闘する『ちはやふる』シリーズ…。夏休みに仲間と自主映画に興じる『サマーフィルムにのって』(2021年)も、「女子高生がナニかに熱中して青春を燃やす」系映画なんだが、そこにSF的要素がミックスされているのがミソ。クライマックスでは「映画とは何か」という根源的な問いも突きつけてみせる、2021年を語るうえで外せない一作。

日本公開日/2021年8月6日
監督/松本壮史
出演/伊藤万理華、河合優実、金子大地ほか

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第2位『ファーザー』


(C)NEW ZEALAND TRUST CORPORATION AS TRUSTEE FOR ELAROF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION TRADEMARK FATHER LIMITED F COMME FILM CINE-@ ORANGE STUDIO 2020

認知症の兆候が見え始めたアンソニー(アンソニー・ホプキンス)と、その娘アン(オリヴィア・コールマン)との交流を描いた感動系ムービーに非ず。アンソニーの認知の歪みを、そのまんまスクリーンに映し出してしまおうとする、驚天動地の体感型映画。手触りとしては、記憶を10分間しか保てない主人公が、最愛の妻を殺害した犯人を探し出そうとする『メメント』(2000年)に近いかも。これが映画監督デビューとなるフローリアン・ゼレールの、卓越した手腕に脱帽。

日本公開日/2021年5月14日
監督/フローリアン・ゼレール
出演/アンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマン、イモージェン・プーツほか

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第1位『マリグナント 狂暴な悪夢』


(C)2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

んで、映えある第1位はこれしかないでしょう。我らがジェームズ・ワンの『マリグナント 狂暴な悪夢』(2021年)。ダリオ・アルジェント監督の大傑作『サスペリアPART2』(1975年)を彷彿とさせる猟奇スリラーと思わせておいて、後半になると痛快すぎるアクション映画に変貌するという、「とにかく観てください!」としか言いようのない仕上がり。言いたいことはヤマほどあるけれど、ネタバレを回避しようとすると無言になってしまうのが口惜しい。まだ未見の方は今すぐ映画館に駆けつけて、“狂暴な悪夢”体験を心ゆくまで味わってください。

日本公開日/2021年11月12日
監督/ジェームズ・ワン
出演/アナベル・ウォーリス、マッケンナ・グレイス、マディー・ハッソンほか

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2022年も期待をたくさん裏切られたい

特に若い人のあいだでは、ネタバレサイトで内容を確認してから映画を鑑賞するという方もいらっしゃるようですが、筆者はできるだけ情報をシャットアウトして映画館に行きたいタイプ。だからこそ、勝手に妄想してたものとのギャップで衝撃を受けたりする訳で。

ではでは、2022年度「鑑賞者の想像の斜め上をいく映画」ベストテンで、またお会いいたしましょう!

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(文:竹島ルイ)

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