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2022年02月04日

<ムチャブリ!わたしが社長になるなんて>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<ムチャブリ!わたしが社長になるなんて>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

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「俺が君を選んだ」。浅海(松田翔太)のひと言が気になって仕方ない雛子(高畑充希)は、チェーン店5店舗を1ヵ月後にオープンさせるという浅海の“ムチャブリ”をうっかり引き受けてしまった。急すぎる進行に社員たちも後ろ向きな態度。さらに大牙(志尊淳)も、柚(片山友希)とのデートでは会話が弾まず、同期が先に出世した焦りもあって、雛子への不満を隠さない。
そんな中、「プチボナール」の仕入れ先が、突然、ワインの取り引き停止を宣告してきた。野上フーズと専属契約を結ぶことになったのだという。仕事が増えて不満が高まる社員たちの手前、雛子は新しいワインの仕入れ先は自分で探すと宣言。

凛々子(優香)にも協力してもらいリサーチを進める中、知美(夏帆)から山梨の個人ワイナリーが作った「伝説のワイン」の存在を知らされる。
社員たちもうなるクオリティーの「伝説のワイン」。何としても仕入れようと、大牙と共に醸造元のワイナリーを営む春乃(南野陽子)の元を訪れる雛子。

しかし夫が亡くなってから春乃は新規にワインを作っておらず、貯蔵しているワインも売りたくないと、取り付くシマもない様子。雛子と大牙は、あの手この手で春乃を説得しようとするが…。

第4話のレビュー

浅海社長(松田翔太)への淡い恋心に気付きつつある雛子(高畑充希)。しかし、彼女自身は完全にはその気持ちを受け入れられない。「僕が君を選んだじゃない」といった胸キュンワードにときめきつつも、これまで彼から下される無数の”ムチャブリ”に振り回されてきたのも確かだからだ。

これは恋なのか、そうじゃないのか? 悩む矢先、浅海社長と”ビジネスパートナー”である女性・桧山(優香)と二人で話す機会に恵まれる。

「今も昔も、私を引っ張り上げてくれる恩人」だと彼女は浅海社長を称するが、結婚寸前までいった段階で「私は彼を幸せにできないと悟った」から別れたのだと教えられた。その真意とは……?



雛子の恋模様が気になるところだが、チェーン店×5店舗のオープンを控えるフレンチレストラン「プチ・ボナール」に、また新たな試練が。これまでワインを卸してくれていた湾岸物産が、急に取引停止を申し入れてきたのだ。

なんと、野上フーズと専属契約を結ぶことにしたという。

急いで、店の目玉となる新しいワインを仕入れなければならない。知美(夏帆)からの情報で、山梨に伝説のワインを作っている「島本ワイナリー」があることを知り、部下の大牙(志尊淳)と現地へ向かうことにした雛子。

個人経営のブドウ農園・島本ワイナリーで生産されているワイン「マ・セゾンプレフェレ(私の好きな季節)」は、その希少性から相当なプレミアがついており、なんとネット購入では8万5000円もする(原価は1900円なのに……!)。



島本ワイナリーの責任者・春乃(南野陽子)に、ワインを仕入れてもらうようお願いする雛子と大牙。しかし、春乃は頑なにYESと言わない。

ワインを作っていた夫はすでに他界しており、現在は新しいワインを作ってはいないのだという。貯蔵庫に残っている分はあるが「売らない、売ったら私の分がなくなっちゃうじゃない!」と春乃は譲らない。相当なワイン好きだと窺えるが、彼女自身はワインが嫌いで、一才飲まないそうだ。

ワインは嫌いなのに、売りたくない。

この矛盾を解決できれば、美味しいワインを店に仕入れられるのに……! 頭を悩ませる雛子。



なぜ、春乃はワインを売らないと決めているのだろう?

その背景には、少々複雑な事情があった。

ワインを作っていた春乃の夫は、相当な愛情と労力をワインに注いでいた。妻である春乃のことは半ば放ったらかしで、どれだけ美味しく良いワインを作れるか、それだけに自身の人生を捧げているような夫だった。

そんな彼が残していったワイン。いわば、春乃の手元に残ったワインは「恋敵」とも言える。雛子と大牙が話したように、愛する人が愛情を注いだものは、そばに置いておきたいと思うものだろう。




彼女から、大切なワインを奪うわけにはいかない。

さすがの雛子も諦めかけたその時。ワイン「マ・セゾンプレフェレ」のラベルに、ある特徴があるのを発見する。水に濡れると、とある言葉が浮かび上がるような加工がされているのだ。

「私の好きな季節」と名がつけられたワインラベルに、そっと肩を寄せ合うよう浮かび上がるのは……「私は春が好き」という言葉。

春乃の夫は、ちゃんと彼女を愛していたのだ。むしろ、彼女のために全力を注いでワインを作っていたと言っても過言ではないだろう。このワインは、恋敵なんかじゃなかったのだ。

「口数が少ない人だったから、私には興味がないのかと……」

「口で言えばよかったのに」

ワインに残された愛情を汲み直した春乃。そんな彼女の心を解いたのは、雛子の懸命な姿勢だとも言える。残ったワインを卸すわけにはいかないが、これから新しいワインの生産を始め、それを「プチ・ボナール」に入れると約束してくれた。

論理や損得勘定ではなく、人の気持ちを最優先にして考えられる雛子。少しずつ社長らしくなっていく彼女に対し、傍で見ている大牙は複雑な感情を抱いていた。



同期が出世し、焦っている大牙。自分も本社でバリバリ仕事をしたいのに、現実にいるのは”子会社で燻っている自分”だ。やりたいことを形にできない歯痒さ。論理や効率性が通用しない職場。ヘラヘラしていながら、イザという時の大事な成果はしっかり上げていく雛子に対し、不甲斐なさやライバル心を抱いてもおかしくはない。

しかし、どうも様子が変だ。

「絶対に俺の方が仕事ができるのに」

「あなたのこと、スッゲェ嫌いなのに、俺……」

そう言って、雛子を見つめる大牙。憎さ余って可愛さ100倍というやつか、嫌い嫌いと思っていたら「いつの間にか好きになっていた」という展開だろうか。個人的には、浅海社長に見つめられる以上にドキドキしてもおかしくないのでは? と思ってしまった。

ムチャブリ社長か、生意気部下か?

雛子が最終的に心落ちるのは、いったいどちらなのか?


※この記事は「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」の各話を1つにまとめたものです。

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