<舞いあがれ!・子供時代編>第1週目~3週目の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第7回のレビュー
ダメ出しが効く舞((浅田芭路)。ちゃんと目覚ましをかけて自分で起きられました。朝、熱が下がった舞はばんば(祥子/高畑淳子)のお手伝い。
びわの収穫をしてジャムを作り、売店に卸しにいきます。祥子のジャムは大人気。
ひとりでなんでもできる祥子。ひとり。でも「島のみんながおる」から大丈夫と言います。
めぐみ(永作博美)にもひとりでがんばり過ぎなくていいみんなが見てくれてると言ってました。
ひとりでもふたりでも何人でもいいけれど、それぞれが緩やかにつながって助け合うことで、ひとりのひとも決してひとりではないということですね。
舞のこともみんな、とても親切に接してくれています。
さくら(長濱ねる)もやさしいし、とりわけ、一太(野原壱太)とその家族。一太に誘われて、教会にも行きました。以前一太が賛美歌を歌っていたことからもわかりましたが、この島ではキリスト教が一般的のようです。
”長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産”は世界遺産になっているほど有名です。とはいえ昔は弾圧もあって苦労があったと思いますがそこには触れません。
楽しくやっていると、めぐみから電話がかかってきます。お父さん・浩太(高橋克典)も出ておしゃべり。ケータイのなかった時代を知らない人もいるでしょうけれど、固定電話の時代、遠くから
親しい人に電話するときの、声が聞こえるうれしさと、手の届かないもどかしさがないまぜになった感覚が蘇りました。
浩太は、めぐみのことを気にかけて、めぐみの家事の負担を減らそうと提案します。「自分のことは自分で」と気づくのがいささか遅かった気もしますが、気づくだけマシ。
ワンオペ ダメ絶対キャンペーンという感じでどんなときもどんな場所でもみんなで協力しましょうという空気が漂います。
ちょっと道徳くさい印象も拭えませんが、自然がきれいなのと、食事シーンが多いのと、舞や一太が愛らしく、「岩合光昭の世界ネコ歩き」を見るような気持ちで見ることができます。
舞は驚いたときいつも「ああ」と同じ調子(凧と皿とジャムの場面)なことについては子供なので寛大な気持ちになれますし(むしろやたらと手練すぎても鼻白みます)、さくらに「おめでとうございます」と丁寧に言うのは微笑ましい。とにかく一太の「家族らんらん(団らん)」がほっこりしました。
でも最後のナレーション(さだまさし)が「まさかあんなことが起きるなんて」でドキドキしますね。
【朝ドラ辞典 高畑淳子(たかはた・あつこ)】俳優。劇団青年座所属。朝ドラ出演作は「つばさ」「なつぞら」「舞いあがれ!」がある。「つばさ」で演じたヒロイン(多部未華子)の母は朝ドラには珍しい自由奔放な人物で、夫と子供を残して家を出ていたが戻って来て何かと主人公の家をかきまわすトラブルメーカー的存在だった。「なつぞら」で演じたのは北海道帯広で菓子店を営む元気なおばあさん。開拓民で主人公の義理の祖父(草刈正雄)とは同志的存在。「舞いあがれ!」は五島列島で夫亡きあと、ひとりで船に乗り生活している主人公の祖父役。3作の役の共通点をあげるとすれば、バイタリティあふれる豪快な人物であるということだろう。
※この記事は「舞いあがれ!」の各話を1つにまとめたものです。
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