<舞いあがれ!・子供時代編>第1週目~3週目の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第2回のレビュー
【朝ドラ辞典 放送休止(ほうそうきゅうし)】朝ドラこと連続テレビ小説は1961年から続いているご長寿シリーズ。放送時間帯(8時15分が2010年から8時に)や放送期間(月から土が2020年から月から金、土は総集編に)が変更になることはあるが休みなく続き、休むのは年末年始のみ。それが時折、休止になるのは大きな出来事が起こったときだ。「舞いあがれ!」は第2回の放送が北朝鮮からのミサイル発射のニュースによってBS放送も本放送も休止となった(昼放送はされた)。ミサイル発射によって休止になったのは「ひよっこ」(17年)以来。「エール」(20年)はコロナ禍の緊急事態宣言により撮影が中断したため2ヶ月半休止となった。ほかに「てっぱん」(11年)が東日本大震災で1週間休止している。61年もの長きにわたり朝ドラが毎日規則正しく放送され続けることは平和の証に思える。関連語:L字放送
原因不明でときおり熱を出すようになった舞(浅田芭路)。飼育係になった途端、逃げたうさぎを探して走ったためにまた熱を出してしまいました。
先生もお母さん・めぐみ(永作博美)も、身体が弱いからやめといたほうがいいとは言いません。やれる範囲でやればいい、無理なときは言うことと、条件つきで舞の選択に任せます。
お父さん・浩太(高橋克典)に医者(ぼんちおさむ)は親がいっぱいいっぱいになると子供は敏感に察知するからと環境を変えることを提案します。
めぐみは常に笑顔で子供を包み込んでいるがどこか疲れて見えます。かなり無理をしているのでしょう。しんどさを内に秘めて笑いを絶やさない、でもしんどさがどうしても滲んでしまう永作博美さんの表情がみごとです。
兄の悠人(海老塚幸穏)は舞のせいで自分が割りを食っていると不満げ。彼の勉強にも環境が大事なのだと主張します。
すっかり疲れが溜まってしまっためぐみは台所でしゃがみこんでしまいます。
一緒にシンクの前に体育座りして話すめぐみと浩太。食卓に座って話すのではなく、しゃがみこんだその場に直座りというところにふたりの置かれたギリギリ感も、そういう体制で本音を話せる親しさもすべてが入っているように見えます。この画のクオリティーをキープしてほしい。
夫婦の話し合いのすえ、決意しためぐみは、翌朝、舞の部屋へーー。
舞は、前の晩、貴司(齋藤絢永)から久留美(大野さき)の手紙を紙飛行機にして渡され、その内容に励まされたのか元気になっていました。
貴司と舞の家はものすごく接近したお隣同士で窓と窓でコミュニケーションできるようになっています。こういう設定はくすぐります。
ひしめく建物のように人間同士の距離も近い。貴司の母・雪之(くわばたりえ)とも家族ぐるみのおつきあいをしていて、夫・勝(山口智充)と営むお好み焼きで食事を世話になることもしばしばのようです。近隣の人たちとのあたたかい関係性が見ていてホッとします。
それにしても。ミサイル発射のニュースのあとに、タイトルバックを見ると、紙飛行機が海を渡っていて、なんとも皮肉に見えました。なんでしょうこのシンクロは。
不安を吹き飛ばして、舞いあがれ!
※この記事は「舞いあがれ!」の各話を1つにまとめたものです。
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