<ファーストペンギン!>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
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漁協からの嫌がらせにも負けず、ようやく岩崎和佳(奈緒)を中心にまとまり始めた、さんし船団丸の漁師たち。
「お魚ボックス」の注文も順調に増え始めたのだが、配送先の飲食店からは、「魚が痛んでいる」「注文が間違っている」などクレームが続出!苦情が来るたびに和佳が代品を送る羽目になり、注文が増えても大赤字!漁師たちへの追加報酬もほとんど支払えず、皆の士気は下がっていくばかり……。
そんな状況を見かねた片岡洋(堤真一)は、和佳に無断でクレーム対応を開始。
片岡が「悪いのは魚ではなく料理人の腕」とお客さんに言い返していることを知った和佳は激怒。片岡も苛立ちを募らせ、2人は大喧嘩に……!
頭を抱える和佳のもとに、東京のフレンチレストランのシェフ・流山(速水もこみち)から連絡が入る。流山と話をするうち、和佳は、漁師たちのやる気をアップさせるための“ある秘策”を思い付き……!?
第4話のレビュー
自分の仕事が何に役立ち、お客様のもとへどう届いているか。どんな仕事にも、想像力は必要だとよく言われる。筆者のような、取材や執筆を主な生業とする職業は、読み手がどう感じ取るかを想像しながら言葉を使わなければならないように。新事業「お魚ボックス」を軌道に乗せるべく努力している和佳(奈緒)たちにも、同じことが言えるのかもしれない。日々、洋(堤真一)をはじめとする漁師たちは魚を獲り、それをお客へ届けるべくボックスづくりに励んでいる。
しかし、それを受け取る側の気持ちを、どこまで想像できているのだろうか?
さんし船団丸は、120万円もの赤字に苦しんでいた。送るボックスに不備があるせいで、お客からのクレームが絶えないのだ。代わりのボックスを送り直すことで経費がかさみ、膨れあがって120万円……。漁師たちへのプラスアルファの手当ても1000円しか捻出できない始末。
和佳は、大手スーパーやチェーン店にまとめて魚を卸す効率の良い売り方よりは、「これ!」と決めたお店に一尾ずつ売るやり方にロマンを求めていた。
さて、そのロマンをどうやって漁師たちに共有するか……?
その結果、漁師たちを全員、東京へ連れて行く道を選ぶ。
さんし船団丸の魚を卸しているフレンチ料理店へ赴き、実際に料理を食べてもらうのだ。自分たちが獲ってきた魚が、どんな風に店へ届き、どんな料理になってお客の口へ運ばれるのか。それを体感してもらうことで、より「お魚ボックス」の鮮度を保つにはどうすべきか? を自発的に考えてもらおうとしたのである。
結果、この方法は大成功! 魚の血抜きをしてから発送すれば、劇的に鮮度が保たれることもわかった。これまで以上に手間はかかるが、他ではやっていない方法を徹底することで、オンリーワンの魅力が生まれる。最強の「おさかなボックス」誕生となり、さんし船団丸のブランド力が上がるのである。
漁師のみんなに渡せるものはロマンしかない、と語る和佳、今回も熱かった。
「信じてほしい。絶対にみんなをそこに連れていくから。もう少しだけ、私についてきてほしい」
これまでも、和佳は失敗や苦境の乗り越えながら、さんし船団丸にとって最良と思える選択をしてきた。営業による経費はかさみ、漁師たちに満足な給料も出せていないかもしれない。それでも、こうと決めた彼女の瞬発力はすごい。
前回同様、「漁師さんたち、もう少し和佳のことを信じてあげてよ〜」と思わなくもない場面もあったが、実際にもこうやってぶつかり合いながら信頼関係を築いていったのだろう。実話を元にしている事実を忘れてしまいそうになるが、このドラマはどこまでもリアルなのだ。
なかなかやる気を見せてくれなかった若手漁師・たくみ(上村侑)の背景も明らかになった。地元や家族に感じる鬱陶しさ、東京への憧れと恐怖。それらはきっと、地方出身者にとっては“あるある”な感情である。
彼もともに東京へ赴き、自身の獲った魚がどんな風にお客のもとへ届いているかを知って、仕事への誇りを思い出せたのではないだろうか。このドラマでは、さまざまな“成長”が描かれている。
これからも、さんし船団丸は右往左往しながら結束力を高めていくのだろう。こうなってくると、心配なのは漁協の動きである。組合長(梅沢富美男)がまたもや不穏な企みをしているようだが……。頼むから、もう余計なことはしないでくれ! と和佳とように吠えたい気持ちでいっぱいだ。
※この記事は「ファーストペンギン!」の各話を1つにまとめたものです。
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