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2023年05月03日

<合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー



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依頼人の自殺という、これ以上ない悲しい幕切れが、涼子(天海祐希)と貴山(松下洸平)の胸に大きなしこりを残した8カ月前の依頼。その当事者であり、涼子が敗北を期した因縁の相手・愛原樹里亜(水野美紀)が、殺害予告ともとれる脅迫状が届いたと助けを求めてやって来る。自らの過ちを決して認めず、反省のかけらもない樹里亜の態度に、当然、涼子は依頼を断るが、結局、高額な報酬を前に、身辺警護と犯人特定の依頼を引き受けることに。しかし、その胸にはある思いがあった—。
ナースに扮(ふん)した涼子が、樹里亜の身辺警護をしていたある日、歩いていた2人に向かって工事現場の鉄パイプが倒れてくる。涼子の機転で何とかよけ無事だったが、後日、樹里亜はその一件を記者の前で発表する。すると、人混みの中から作業服を着た一人の男が「悪魔!魔女!」と樹里亜に向かって罵声を浴びせる。
その風貌から、作業服の男が自殺した西田真紀(市川由衣)の元婚約者・滝本悟志(小久保寿人)ではないかと考えた涼子は、貴山と久実(白石聖)を使って、滝本にある揺さぶりをかける。すると、真紀が自殺した当時の状況について、新たな事実が判明しー。

第5話のレビュー

「助けて!私、殺されそうなの」
と、上水流涼子(天海祐希)の探偵事務所に飛び込んできたのは、第4話で散々、涼子とやりあった美容家の愛原樹里亜(水野美紀)だった。
しおらしく涼子に助けを乞うのかと思ったら、それは最初だけ。
出されたコーヒーを口に含めば「まずっ。よくこんなの出せるね。なにこれ、泥水?」と毒づく。
さらに「どうせ経営厳しいんでしょ?助けてあげる」と上から目線。
涼子も負けてはいない。
「なんであんたの仕事引き受けなきゃいけないのよ」とそっぽを向くも、貴山(松下洸平)に話だけでも聞くように促され、樹里亜の話を聞くことに……。

前回に引き続き、天海と水野のやり取りが圧巻だった。
ここまで実績を積み上げてきた女優同士の真剣勝負。
見苦しさは微塵も感じず、むしろ爽快でずっと見ていられる。

樹里亜は「必ず殺す 地獄に落とす 震えて眠れ」という脅迫状を見せ、自分の警護と、この脅迫状を送り付けてきた人物を捕まえるように言い放った。
涼子は「あーやっぱり無理。きらいだわ、こいつ……」と言いながらも、樹里亜が出した現金1,000万円を目の前に詰まれると「やりましょう」と急に態度を変えた。

表向きはお金で釣られたような形ではあったが、樹里亜のせいで自殺をしてしまった西田真紀(市川由衣)の無念を晴らすために引き受けた涼子。
天海が演じる涼子は、正義感と強さが全面に出ているが、優しさにも溢れている。
激辛を好み、事務所に設置してあるサンドバックを蹴る描写からは、過度なストレスを感じていることもわかる。

樹里亜の警護をしながら、脅迫状を送った相手を探る涼子と貴山。
真紀(市川由衣)の元婚約者、悟志(小久保寿人)が怪しいと思い、貴山が近づくが犯人は悟志ではなかった。
結局、脅迫状を送ったのは樹里亜の自作自演だった。
注目を集め、政界進出を目論んでの行動だったことがわかった。
しかも真紀は自殺ではなく、樹里亜に殺されていたことも判明。
しかし、真紀は生きていた。
海岸で樹里亜に殴られ、海に突き落とされたが漁師に助けられていた。
樹里亜への復讐を企んでいたが、涼子のお陰で真紀が悪に手を染めることはなく、涼子が樹里亜へお灸を据える形で幕を閉じた。
樹里亜は「上水流涼子、絶対忘れないから……」と言って、警察に連行されていった。

婚約者の悟志も真紀が生きていたことを喜んだ。
そして前回、貴山のファインプレイで盗んだ樹里亜の2000万円のネックレスを真紀に渡す涼子。
「その代わり復讐しようなんて気持ちは捨てなさい。憎しみを抱いたまま生きるのは辛くなるだけよ」と力強い言葉を投げかけた。

今回もスカッとした結末を迎え、気持ちは晴れ晴れ。
(涼子たちはネックレスの窃盗、樹里亜の誘拐とスレスレの行動をしていることは気になるが……)

無事に事件が解決したものの、貴山はまた「猫カフェへ…」と言って父親の病室へ向かった。
貴山が病室に到着すると、心拍数が戻った父親の姿が。
看護師が喜んで医師を呼びに廊下に出た瞬間、貴山も一緒になって喜ぶかと思いきや、まだ意識のない父親の胸ぐらを掴みながら

「どうして母さんを殺した? おい、起きろ!絶対に許さない。僕が殺してやる」

と激高。

一瞬でドラマの空気感が変わった瞬間だった。
尋常でない貴山の豹変ぶりに闇を感じる。
いったい貴山の過去に何があったのか。
涼子が真紀に放った「その代わり復讐しようなんて気持ちは捨てなさい。憎しみを抱いたまま生きるのは辛くなるだけよ」という言葉は、貴山へのメッセージだったのかもしれない。

涼子は貴山を闇から救うことができるのだろうか――。
思いがけない展開にまだ胸がドキドキしている。


※この記事は「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」の各話を1つにまとめたものです。

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