<ばらかもん>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
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清舟(杉野遥亮)が長崎・五島列島に移住してから1ヵ月が過ぎようとしていた。そんな折、清舟のもとにマネージャーの川藤鷹生(中尾明慶)から電話が入る。ある書道展に応募した清舟の作品が、準賞だったという知らせだった。自信作だっただけに大賞がとれなかったことにショックを受ける清舟。しかも、大賞に選ばれたのは18歳の新人・神崎康介(荒木飛羽)の作品だと知り、呆然となる。
そこに、郷長の木戸(飯尾和樹)と高校生の息子・浩志(綱啓永)がやってくる。近く行われる町民体育祭で七ツ岳郷が万年最下位から脱出するために、清舟にゼッケンの文字を書いてもらいたいのだという。書展の結果に落ち込む清舟はそんな場合ではないと断ろうとするが、郷長は「団結力のためには新しいゼッケンが必要なんだ」と告げると、大量のゼッケンを押しつけて去って行く。
そんな中、福江島を豪雨が襲う。家の雨戸は吹っ飛び、携帯は水没し、風呂は壊れるなど、散々な目に遭う清舟。書展の結果も相まって、更に落ち込んでしまう。なる(宮崎莉里沙)は気分転換に清舟を村の餅拾いの行事に誘い出して‥‥。
第2話のレビュー
冒頭から、女子小学生に服の裾を引っ張られ困る杉野遥亮、宇宙人だと勘違いされ突き飛ばされる杉野遥亮、防犯ブザーを鳴らされる杉野遥亮、18歳の新人に負けて目に見えて落ち込む杉野遥亮、台風で台所の窓が割れ、雨漏りし、挙げ句の果てに停電して泣く杉野遥亮……と、ファンが見たい杉野遥亮のオンパレードだった。五島での生活も一ヶ月目に入った半田(杉野遥亮)、田舎での生活も慣れたもの……と思いきや、初めての台風に涙目状態。スマホを水没させ、大事なデータが入ったパソコンも雷にやられてしまえば、現代に生きる大の大人は全員、泣きたくもなるだろう。
ましてや半田は、自身のことを「書道をとったら何も残らない」人間だと思っており、おまけに満を辞して書いた大作は大賞を逃したばかり。18歳の新人に負けたと知っては、自己肯定感もダダ下がりである。
ちょっと扱いが面倒な存在になりかけている半田にも、五島の人たちは優しい。台風のなかでも窓の補強をしに来てくれたり、近くで雷が落ちたことを心配してやってきたり、ガス風呂が壊れたと相談すれば五右衛門風呂の入れ方を教えてくれたり。
あれだけ煩わしいと思っていた島の人間関係に、半田はわかりやすく救われ、癒されていく。
2話ではとりわけ、新船を祝う伝統の餅まきシーンが必見だった。視聴者でも、田舎出身か都会出身かで感想が真っ二つに分かれるだろう。本編でも、上ばっかり見ていたら餅は取れない、チャンスは意外にも下に落ちているとアドバイスを受ける。確かに、投げられる餅を空中でキャッチするよりも、人の手を逃れ地面に落ちた餅を狙うほうが効率が良い。
餅に群がる島民たちを見ながら「世の中には取れる人間と、取れない人間がいる」と人生を悟る半田。地面に落ちたチャンス=餅を狙え、と言われても「それでも取れなかったら?」と不安は拭えない。そんな彼に差し出された言葉が、とても優しい。
「その時はな、どうぞお先に、譲ってやって、もっと大きな餅を狙え」
餅まきで人生を悟った半田は、その後、島でおこなわれる体育祭のためにゼッケンに文字を入れた。徹夜で、参加する島民たちのぶんを仕上げた。島の暮らしに慣れてたまるか、と反発していた心が、島民たちの優しさによってほぐれている。
半田にとって、餅まきが「不覚にも、ちょっと、楽しかった」からだろうか。
※この記事は「ばらかもん」の各話を1つにまとめたものです。
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