<ばらかもん>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第5話ストーリー&レビュー
第5話のストーリー
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半田清舟(杉野遥亮)が突然島から姿を消した。それを知って大きなショックを受け、道ばたに倒れ込んだまま動けなくなってしまう琴石なる(宮崎莉里沙)。久保田陽菜(寺田藍月)とケン太(大浜謙太郎:加藤叶和)は、そんななるを無理矢理起こすと、今後の対策を話し合うために木戸浩志(綱啓永)や山村美和(豊嶋花)、新井珠子(近藤華)と合流することに。
同じ頃、東京に戻った清舟は、マネージメントを手がけてくれている『川藤美術芸術舎』で川藤鷹生(中尾明慶)と会っていた。ここで清舟は、以前、自身の書を酷評されて頭に血が上り、掴みかかってしまった相手である美術館館長の八神龍之介(田中泯)と会う約束になっていた。八神にきちんと謝罪をして、島で書いた書を見てもらうためだった。だが、約束の時間が近づくにつれ、「酷評されたらどうする?」とどんどん自信がなくなっていく清舟。
ほどなく、八神がやってくる。腰が悪いこともあり、杖をつきながらゆっくりと歩いてくる八神に、島のヤスば(野村ヤス:鷲尾真知子)の姿が重なり、思わず手を差し伸べる清舟。八神は、そんな清舟の謝罪を受け入れると、さっそく新作の書『星』を見るが…。
一方、浩志や美和たちは、清舟との思い出話をしているうちにどんどん寂しくなってしまう。「たくさん遊んでもらったのに、ありがとうも言ってないよ」というなるの言葉に、美和は、みんなで東京へ行こうと言いだし…。
第5話のレビュー
五島で自分史上最高の書を仕上げた半田(杉野遥亮)は、書展の準備のためいったん東京に戻ったが……島で書いていたような自由な感覚が取り戻せず、またもやスランプに。驚くほど、思っていた以上に、人は環境に左右される生き物だ。田舎から上京したとたん、これまでに味わったことのない膨大な選択肢を前に、無敵になったような気持ちになる。初めての海外旅行で、いかに日本が小さな島国なのかを思い知る。
そんなふうに、人は周囲を取り巻く環境、そしてどんな人々に囲まれているかで、柔軟に変化する。かつて八神館長(田中泯)に食ってかかった半田も、歳を重ねた館長の体を思いやり、素直に謝れるようになっていた。スランプに陥ったのは、ある意味では島のせい。しかし、半田の人間性を変えてくれたのも、やっぱり島のおかげだ。
島にいなきゃ、良い字を書けないのだろうか。思いなやむ半田のために、またもや一肌脱いだのは川藤(中尾明慶)だった。
なる(宮崎莉里沙)たちと電話をつなぎ、半田は東京にいながらにして五島の空気に触れた。何も言わずにいなくなってしまった半田に対し、なるたちは次々と不満を口にするが、早く帰ってきてほしいと望む愛情も感じられる。
半田はインスピレーションを得る。東京に戻ってくる直前、島に住む村人たち全員の名前を書いてきた。フラッシュバックするのは、人々との交流。島を訪れた最初こそ、慣れない環境に文句と弱音が止まらなかった半田だが、いつしか村人たちとのやりとりは、彼のなかで何にも代えられない厚みと高さになっていた。
それはまるで、一つひとつの石を丁寧に組み上げてつくった、石垣のように。
新しく得たインスピレーションによって半田が書いた字は、村人たち全員の名前を組み合わせたもの。「こんな字、書いたの初めてだよ」とそっと呟く半田は、その書のタイトルを「石垣」とした。「俺が今、いちばん大切に思ってるものだ」。
環境によって、人は変わる。良くも悪くも、変わってしまう。島にいないと良い字が書けない、と思い悩んでいた半田は、東京でも納得のいく書を仕上げた。彼のなかに、いつでも取り出せる位置に、島の思い出や村人たちとの交流がおさめられている証拠だと感じる。
秋冬にかけて、半田はふたたび五島に戻る。なるたちも、それを心待ちにしているのだが……。ここで、新たな壁が。半田の母・えみ(長野里美)が、島に戻るのは許さない、このまま東京にいればいいと主張し出したのである。
島でも東京でもモテモテの半田。無事に島へ戻り、なるたちと再会できるのだろうか。
※この記事は「ばらかもん」の各話を1つにまとめたものです。
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