<ばらかもん>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
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東京に戻った半田清舟(杉野遥亮)は、琴石なる(宮崎莉里沙)や木戸浩志(綱啓永)、山村美和(豊嶋花)、新井珠子(近藤華)ら、島で出会った人たちの名前がぎっしり書かれた書『石垣』を完成させた。清舟がなるたちとの約束通り、島に戻ると言うと、母親のえみ(長野里美)が「島に行くことは許さない」と反対する。川藤鷹生(中尾明慶)や神崎康介(荒木飛羽)にも清舟の説得を頼むえみ。清明(遠藤憲一)は、そんなえみをたしなめるが…。
同じ頃、美和と珠子が通う中学校では、夏休みの課題だった習字の結果が貼り出されていた。珠子が金賞で美和が銀賞。清舟の家でみんながくつろぐ中「1位と2位じゃ雲泥の差」と落ち込む美和。それはまるで康介に負けた時の清舟のようだった。その時、なるが分厚い封筒に気づく。それは美和と珠子が今までに書いた書だった。
夕方、清舟たちは、改めてえみと話し合う。清舟が島で入院したことを持ち出し、軟禁してでも阻止すると主張するえみ。すると、黙って話を聞いていた清明が、自身も島で生活した経験があると明かす。
一方、なるたちは清舟を出迎えるため、彼がいない間、散らかし放題だった家を片付け始める。段ボールに「いるもの」「いらないもの」と書いて、分別していく一同。そのとき、糸まき車が見つかった。それは美和が“手作りおもちゃの達人”と言われるヤスば(野村ヤス:鷲尾真知子)から作り方を教えてもらったものだった。
第6話のレビュー
半田(杉野遥亮)が島に帰ってきた。半田の母・えみ(長野里美)はギリギリまで反対していたが、父・清明(遠藤憲一)の「離れることで息子が成長できるなら、それが一番じゃないか」と説得されたことで、ようやく折れる。島暮らしによって人間性も成長した半田を見て「成長したのは、書道だけじゃなかったんですね」としみじみ言う、えみの横顔は、ようやく子離れしかけている親の表情に見えた。
半田の書展の結果は、圏外だった。川藤(中尾明慶)が言うように、「あいつが本当に書きたいものを書いた」結果だったが、半田の反応は上々。自分にとって必要な結果だった、と俯瞰でとらえられるようになった彼は「普通が一番」とまで言えるようになっており、確かに、書道以外の部分まで成長している。
清明が「ずっと一番をとってきたあいつにとって、失望する結果だったと思うか?」と言っていた。第三者からみれば、トップに居続けた若き才能がランキング入りさえ逃したのは、前途多難だと思うだろう。しかし、半田は笑った。もう、2位を取って血の底まで落ち込んでいた頃とは、違う。
半田が島に帰ってきてまもなく、野村ヤス(鷲尾真知子)通称:ヤスばが亡くなった。半田にとって、ヤスばとのやりとりは数えるほどだったかもしれないが、餅まきの際にもらった言葉は半田の心に残っている。
ライバルに打ち勝つことだけを考えるのではなく、いったんは順番を譲り、自分はいつかやってくるであろう“さらに大きな餅=チャンス”を狙う……。ヤスばに教えてもらった心構えだ。このアドバイスは、確実に半田の成長に繋がっている。
半田は、彼女からはもらうばかりで、何ひとつ返せていないと言った。しかし、寂しがりのヤスばは、きっと傍で見ている。半田が旗に書きつけた村人たちの名前を。そして、それらが風にたなびく大名行列の様子を。
ヤスばと一緒にいられた時間は短いが、これからも、島民たちのなかに残っているヤスばと過ごしたいと思う、と言える半田。そして、ヤスばが「笑った顔がいっちゃん好き」と言ったから、葬式でも泣かずに笑顔でいた、なる(宮崎莉里沙)。
きっと、どちらも強くて、時に弱い。成長したかと思えば、自分のことが嫌になるくらい失敗する日もあるだろう。しかし、一人じゃないと思える事実そのものが、驚くほど心を救ってくれることがある。島に帰ってきた半田は、これからも島民たちと笑い、ぶつかり合いながら、自分の字と向き合っていく。
※この記事は「ばらかもん」の各話を1つにまとめたものです。
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