<転職の魔王様>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
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転職活動を休み、叔母の洋子(石田ゆり子)が社長を務める転職エージェントで、キャリアアドバイザーの見習いとして働くことになった千晴(小芝風花)。
指導係である“魔王様”こと来栖(成田凌)とともに臨んだ最初の面談相手は、大学を卒業して10年間、派遣社員として働いてきた宇佐美由夏(早見あかり)。次の契約終了を機に転職を考えているというが、由夏はどこか自信なさげで、転職の動機や希望の職種、年収についても主張が少ない。
案の定、来栖は由夏に厳しい口調で毒づき、さらに、そのやり方に異を唱えた千晴に、由夏の担当を任せると言い出す。
その晩、由夏は恋人の渋井克行(味方良介)となじみのレストランで食事を楽しんでいた。実は、由夏が転職の条件に強いこだわりを持っていなかったのも、近い将来、克行と結婚すると踏んでのことだった。
ところが、克行は自分がフリーランスで働いているがゆえに、非正規雇用の相手との結婚は考えられないといい、あっけなく別れを告げられた由夏は、克行をつなぎとめるために一刻も早く正社員になりたいと千晴に頼み込む。
由夏の思いになんとか応えたい千晴は、持ち前の社畜体質を発揮して徹夜で作業を進め、翌朝、広沢(山口紗弥加)や山口(おいでやす小田)が見守るなか、来栖に由夏の転職先を提案するが…。
第2話のレビュー
「自分がフリーランスだから、非正規雇用の彼女と結婚するのが不安」みたいな理由で彼氏(味方良介)にフラれる宇佐美由夏(早見あかり)が、不憫でならない。同僚に「せめて転職だけは上手くいってほしい」と噂される状況もイヤすぎるし、結局、彼氏にフラれたのも他の女性と二股をかけられた末のこと。悪酔いするくらい許してほしい、と思ってしまう。
転職をするため、来栖(成田凌)や千晴(小芝風花)がいる転職エージェント・シェパードキャリアにやってくる宇佐美。途中から目的が変わり、正社員になるため=元カレと復縁するために転職先を探した末、無事に内定をとるが……。
よくよく考えると、こっそり二股していた挙句に天秤にかけるようなパートナーに「正社員になった?じゃあ安心だね!ヨリを戻して結婚しよう!」なんて言われても、嬉しくないのでは? これを機に悪縁を断ち切れてよかったんじゃないだろうか。
今回の来栖も切れ味が抜群だったし、荒療治だった。将来を不安がり、「このままだと人並みの幸せに手が届きません」「何が正解かわかるなら苦労しません」と、自分で考えようともせず正解だけを求める宇佐美に対し「誰かに決められた正解は、あなたの正解じゃない。自分の意思で決めてください」とバッサリ切る。
正解を求めたくなる気持ちはわかる。自分では決められないし、誰かの意見を参考にしたいし、成功している人と同じ選択をして安心したい。「これさえやっておけば大丈夫」と言われることだけをして、無駄な時間は過ごさず、年齢を重ねてから「やっぱりこれでよかった」と胸を撫で下ろしたい。失敗も後悔もしたくない。
来栖の言葉は正論で、だからこそ鋭利だ。痛いところにグサグサと突き刺さってくる。「あなたの本当の幸せはなんですか?」の問いに、ぐっと考え込んでしまう。
自分の幸せさえも、自分で見当をつけられない。それほど宇佐美は、追い込まれていたのだろう。いきなり自分を振ってきた元カレが、別の女と“思い出のクワトロフォルマッジ”を食べている現場を見せつけられるのは、荒療治以外の何物でもないが……。
これを機に、宇佐美は自分自身の幸せとは何か、正面から向き合うことができた。
シェパートキャリアの社長・落合洋子(石田ゆり子)も言っていたように、女性のキャリアは難しい。これからどうとでも進路変更できるタイミングで、いきなり別の選択肢を取らざるを得なくなったら……。反対に、慌てふためいてしまうだろう。
結局のところ、頼もしい社長に、怖いけれど的確な物言いで、なんだかんだ自分のことをしっかり見てくれているキャリアアドバイザーがいる会社「シェパードキャリア」に就職すれば、全員幸せになれるんじゃないだろうか。そんなことを考えてしまう。
※この記事は「転職の魔王様」の各話を1つにまとめたものです。
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