<転職の魔王様>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
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「あなたに、お会いしてみたいと思ってました」――天間(白洲迅)が初対面の来栖(成田凌)に意味深な言葉を投げかけてから、しばらくたったある日、来栖と千晴(小芝風花)は新規登録者でフリーライターの石岡遥太(飯島寛騎)の面談を行うため、カフェに呼び出される。ところが石岡は、手間を省くために別の大手転職エージェントの担当者も同じ席に呼んだといい、まるで2社が対決するような状況に千晴が戸惑っていると、そこへ、同業者であることを千晴に隠していた天間が現れる。
28歳の石岡は、大学卒業後からフリーライターとして活動。有名メディアへの掲載実績もあることから自己評価が高く、正社員になるのは自らの市場価値をさらに高めるためだと豪語する。しかし来栖は、ある理由から、実績に自信がある石岡を「“正社員になりたいフリーター”として選考される」と未経験者扱いし、怒らせてしまう。
一方の天間は、来栖の意見に一定の理解を示しつつも、石岡の考えを尊重し、プライドを傷つけない巧みな話術で希望条件を広げていく。来栖とは真逆な“優しく親身に”をモットーとした天間のやり方に心酔した千晴は、早速、広沢(山口紗弥加)たちに天間の有能っぷりを熱弁。しかし、横山(前田公輝)は天間の名前に何かひっかかる様子で…。
数日後、再び集まった来栖と千晴、天間が、それぞれが石岡に合った企業を紹介すると、石岡は天間が提案した、とある知名度の高い会社に食いつき、上機嫌。するとその申し出に、天間は驚くべきことを言い出して…。
第8話のレビュー
今回の求職者は、フリーライターの石岡遥太(飯島寛騎)。まともな記事を書いたのは3〜4年前で、取材記事にも関わらず無記名、ここ最近はアルバイトで食い繋いでいるといった状態は、フリーライターというよりフリーターだ。しかし、同じくフリーライターである筆者から言わせても、両者は似たようなものである。来栖(成田凌)や千晴(小芝風花)をはじめ、同業の転職エージェントだと判明した天間(白洲迅)の双方から転職先を斡旋してもらう石岡。正社員としての経験も積むことでセルフブランディングになる、インプットが進んで仕事の幅も広がる、ビジョンをアップデートだの云々と、覚えたての横文字を羅列するような石岡の話しぶりには、少々辟易してしまう。
しかし、天間が紹介した転職先「ほっとニュース」にて内定となった石岡。思う存分、これまでの経験を生かせるかと思いきや……入社して2週間で退職届を出し、早々に辞めてしまった。
原因を一言で表すなら「プレッシャーに負けた」から。石岡のため、転職エージェント自ら会社見学までした、天間の真摯な姿勢が仇となった。「ここまでやってくれるなんて、相当な力のある人材に違いない」と入社前から期待が右肩上がり状態に。執筆にブランクのある石岡にとって、その圧に耐えられるほどの“自信”はなかったのだ。
「あんな環境で結果を出し続けるなんて、無理に決まってるでしょ」と責任転嫁する石岡の姿は、他責思考の例として教科書に載せても、なんら違和感がない。やっとのところでバランスを保っていた、崩れかけのジェンガのような石岡のメンタルは、またもや来栖の正論で薙ぎ倒される。
「会社員だって、敷かれたレールの上に乗ってるだけじゃダメなんですよ」と諭す言葉に、石岡とともに痛くなる耳を抱えてうずくまってしまう。会社員だのフリーランスだの、働き方はさほど問題にはならない。やはり、どんな立場であっても、自ら仕事をつくってこなす人間が強い。
最終的には天間の後押しで、あらためて元の会社を辞めずにやり直す道を選んだ石岡。「求められることより、やりたいことをやるべき」「入りたいと思った会社で、勝負するんです」と鼓舞する言葉は心地いいかもしれない。
しかし、石岡が一度辞めようと思った会社には、公の場で他者をこき下ろす人間が複数いる。果たして、そんな会社でもう一度頑張りたいと思うだろうか。“同業者”として、石岡には、他にもっと良い道があるような気がしてならない。
※この記事は「転職の魔王様」の各話を1つにまとめたものです。
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