<転職の魔王様>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
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来栖(成田凌)のもとで見習いとして働くうちに、キャリアアドバイザーの仕事にやりがいを感じ、働くことに意味を見出した千晴(小芝風花)は、晴れて『シェパードキャリア』の社員になる。するとその直後、これまで6回の転職を経験している“転職王子”こと八王子道正(宮野真守)から、面談の申し込みが入る。過去に彼を担当した広沢(山口紗弥加)は何やら苦い経験があるようで、今回の担当を辞退。そこで、来栖と千晴のコンビに白羽の矢が立つ。
不動産会社でマンション販売を担当する39歳の八王子は、幾度となく売り上げトップで表彰され、自他ともに認めるトップセールスマン。17年目となる不動産営業の仕事は天職だが、一つの会社に留まることが性に合わず、現在の会社も勤務3年目にして飽きてしまったという。「まるで戦場を渡り歩く傭兵ですね」――来栖は、この先も転職を繰り返すつもりでいる八王子に皮肉めいた一言を放つが、自分の実績と能力に絶対の自信を持つ八王子は、怒るどころか意に介する様子もなく、千晴はそんな八王子の強靭なメンタルにがく然とする。
その日の帰り道、千晴はひょんなことから天間聖司(白洲迅)という謎の男と知り合う。天間は、千晴が見習いから正社員になったばかりだと知ると「お祝いさせてほしい」と言い出し、千晴はなぜか初対面の天間にアイスクリームをごちそうしてもらうことに…
数日後、早速、不動産販売会社の面接を受けた八王子は、自分よりキャリアが浅く、実績も乏しいライバルを横目に、自信満々で自己アピールする。面接官の反応に手ごたえを感じた八王子は、採用を確信するが…。
第6話のレビュー
これまで幾度もの転職を繰り返してきた39歳の転職王子・八王子(宮野真守)と、彼が勤める不動産会社の営業マン・小池(西垣匠)。そして千晴(小芝風花)が偶然出会う謎の男性・天間聖司(白洲迅)と、6話の折り返し地点にて新キャラが続出した。八王子と小池は6話限りのゲストキャラだろうが、天間は今後も物語に絡んできそうだ。
39歳の転職王子・八王子が転職を繰り返す理由は、「出世したくないから」。今回のテーマは、出世=キャリアアップは幸福に繋がるのか? である。
出世して管理職になったら、みんな数字やノルマに追われて、幸せそうな人なんていなかった……。八王子の言葉に、それぞれの過去や現状を省みる視聴者も多かったのではないか。現場でバリバリ仕事をし、結果を残して評価されることにやりがいを見出すタイプもいれば、ガンガン出世してマネジメント側に移りたい人間もいるだろう。
しかし、出世をすればするほどついてまわるのは、責任だ。自分のミスや至らなさだけを背負うならまだしも、上に立つ者として部下の管理も必要となる。八王子のように、現場での仕事に生きがいを見出すタイプはとくに、出世が幸福に繋がるとは限らない。
来栖(成田凌)は言う。「あなたはどんな上司になりたいんですか?」「夢は何ですか?」と。地位が上がれば上がるほど、数字やノルマなど現実的な指標ばかりが際立って見える。夢なんて煌びやかな言葉は、いち早く忘れてしまうものかもしれない。
しかし、来栖が重ねて言った「せっかく出世して部下を持っても、夢の一つも語れない。あなたの人生、このままでいいんですか?」に、八王子は覚悟を決めた。
彼が彼のまま、変わらないままで楽しく仕事ができる社会。実際のところ、その実現は難しい。仕事ができる人間ほど出世を打診され、それを断ったまま同じ会社で働き続けることは、不自然とされる……それが現実だ。
しかし、八王子は独立することを決めた。変な悪習のない、自分らしく不動産営業ができる会社を作る。新しい夢を持った彼は、転職ではない道を選んだのだ。
果たして、キャリアアップは自分の人生において、必要なことなのか。仕事をしていると、より良いキャリアアップや人生設計が必須だ、と思い込んでしまう。
しかし、きっと、そうとは限らない。世間一般に流布した基準ではなく、まず「自分がどうしたいか」を考え、それがわかったら、はっきりと覚悟を決めること。
振り返れば、来栖はずっと同じことを伝えてくれている。自分の心の声を聞くことが、何よりも重要だと。
※この記事は「転職の魔王様」の各話を1つにまとめたものです。
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