<転職の魔王様>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第10話ストーリー&レビュー
第10話のストーリー
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『シェパードキャリア』の大阪支社設立が決まり、洋子(石田ゆり子)は、その立ち上げを来栖(成田凌)に任せると宣言。早速、来栖は下見のため出張することになり、千晴(小芝風花)はこれを機にひとり立ちすることに。
来栖の不在に不安を感じていたものの、「お守りから解放されて、晴れ晴れ、爽快です」という嫌みでがぜん、やる気に火がついた千晴。来栖を見返したい一心で、天間(白洲迅)のサポートのもと面談に臨んだのは、大手レストランチェーンに勤務するシステムエンジニアの矢吹健一(高橋光臣)。健一は、妻と2人の娘との将来を考え、給料を今の2倍にしたいという。難しい条件に驚きつつも、家族思いの健一の言葉にすっかりほだされた千晴は、魔王さながらのむちゃぶりで横山(前田公輝)を巻き込み、あるスキルに長けている健一に、異業種への挑戦を提案する。
千晴に背中を押された健一は、早速面接を受けたいと意気込むが、実は、転職の話は妻の江美里(大西礼芳)に内緒。転職先が正式に決まってから伝えて喜ばせたいというが、後にそれが家族間に大きなひずみを生むことに…。
一方、千晴のもとには、大阪にいる来栖から電話が。引き継ぎの名目だったが、内心では千晴のことが心配だった来栖。千晴もまた、そんなツンデレな魔王様の気持ちがうれしく、健一の一件が順調に進んでいることを得意げに報告する。すると、そんな楽しそうな千晴の様子を離れた場所から天間が見ていて!?
さらに第1話から注目を集めてきた、嵐と千晴の知られざる過去のつながりが明らかになる!
第10話のレビュー
千晴(小芝風花)と来栖(成田凌)は、過去に面識があった。千晴は失念していたようだが、当時、事故に遭って塞ぎ込んでいた来栖にとっては“奇跡”とも形容できる思い出。「千回、晴れる」……千晴という名前の通り、土砂降りの空を見事に晴れさせたのだ。新入社員だった千晴は、仕事に情熱を傾けていた。「自分にやれることがあるなら、精一杯頑張りたい」「明日は今日より役に立てるかもしれない、そう思うと、頑張ろうって思えるんです」……明るくハキハキと話す彼女がまさか、その数年後に目の光をなくし、パワハラによって体調を崩して倒れ、後遺症として味覚障害まで患うなんて、想像しにくいほど。
来栖が千晴に目をかけていた理由が、これで明らかになった。このとき「晴れ女ですから、晴れますよ」と言って、千晴は本当に雨をやませた。そんな小さな奇跡を見せてくれた彼女が、求めてくれるところならどこでもいい、なんて後ろ向きな理由で転職活動をしている。気にしないほうが無理だろう。
来栖の大阪出張を機に、独り立ちに向け求職者の面談に精を出す千晴。しかし、一人だとなかなか上手くいかず「人生の一大事に関わるような仕事、私にはできない、向いてません」と弱音をこぼす。そんな彼女に、来栖は言った。
「明日の晴れを信じないなんて、笑わせないでください。君にはまだ、できることがあるはずです」
独り立ちしなければ、と焦るあまり、千晴は「人に頼る」ことを避けてしまっていた。自分一人でなんでもできるようにならなければ、周りに迷惑をかけないようにしなければ……。そんな自立心は確かに立派ではある。
しかし、己だけで抱えきれない荷物は自然と両手からこぼれ落ち、結果的に、同僚やクライアントが進む道まで塞いでしまうかもしれない。来栖の言うように「困ったら頼ればいい」のだ。
転職活動にまつわる求職者の悩みや心の動き、そして、千晴や来栖などキャリアアドバイザー側の視点から「仕事とは?」「働くとは?」と考えるきっかけを与えてくれたこのドラマも、来週で最終回。
大阪への出張を終えた来栖が、次はキャリアアドバイザーを辞めてアフリカに行ってしまう展開になりそうだが……。
※この記事は「転職の魔王様」の各話を1つにまとめたものです。
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