<下剋上球児>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
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南雲(鈴木亮平)が監督に復帰して1年。越山高校野球部は“日本一の下剋上”を目指し、夏の大会で34年ぶりにベスト8に進出していた。地元の後押しを受けて準々決勝も突破した部員たちだったが、どこか緊張感を欠いており、南雲と山住(黒木華)は不安な思いを抱えていた。
迎える準決勝で対するは賀門(松平健)率いる強豪・星葉高校。南雲にとっては教員免許の一件以来決別した賀門との師弟対決。甲子園出場へ重要な一戦の先発に、南雲はエースの翔(中沢元紀)か、成長著しい根室(兵頭功海)にするかで頭を悩ませていた。
そんな中、練習中に山住に打球が直撃するアクシデントが起こる。動揺する部員に、山住は「南雲にはこのことを言わないように」と釘をさすが・・・。
第8話のレビュー
ウソをつくたびに鼻が伸びてしまうピノキオの姿には、どこか、調子に乗った天狗と似通うものがある。順調に勝ち進む越山高校野球部の球児たちは、鼻こそ伸びていないものの、いつ足元を掬われてもおかしくない状況にあった。
先発ピッチャーの座が、不動のエースだった犬飼翔(中沢元紀)から根室(兵頭功海)に移った。南雲(鈴木亮平)の恩師である賀門(松平健)率いる星葉高校との、大事な準決勝を前にして、異例の采配。「今までと同じじゃ勝てない」と告げた南雲の口ぶりは、決して軽いものではない。
それだけでも球児たちの動揺を誘うには十分だったが、加えて山住(黒木華)がアクシデントに見舞われる。練習中、日沖荘磨(小林虎之介)が打った球が右の横腹に当たってしまったのだ。星葉との試合を前に、倒れた山住は病院へ向かうことになる。
翔の祖父である犬飼樹生(小日向文世)の目の調子も、依然として悪い。手術をしなければ悪くなるいっぽうだ。当人は、仮に手術が失敗したとき、失明することで翔の勇姿が見られなくなることを懸念している。
越山の球児たちの、伸びた鼻を叩き折るような作戦変更、そして二つの病。彼らは動揺することなく、自分を強く保ったままで大事な準決勝に臨めるか。
「このチームで勝ちたい」と言った翔は、先発から外されても腐らず、「俺にできること考えます」と言った。強豪校である星葉に進学するはずだった彼は、当初は越山に来たことを後悔していた。それがいつしか、チームを背負うエースの立場として、恥ずかしくないふるまいをしようとしている。
「一日でも多く、あいつらに野球をやらせてやりたい」と言った南雲の気持ちも、変わらない。星葉に勝つため、相手の裏をかくための作戦変更だ。あえて自ら“鬼の南雲”になることで、確実に勝ちに行こうとしている。きっと南雲の視界にはもう、甲子園が見えている。
※この記事は「下剋上球児」の各話を1つにまとめたものです。
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