<虎に翼・家庭裁判所編 >10週~14週の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第61回のレビュー
はる(石田ゆり子)が亡くなって2ヶ月、寅子(伊藤沙莉)は家事部の特例判事補になりました。第13週「女房は掃きだめから拾え?」(演出:橋本万葉)のはじまりはドタバタしています。
判事になりたいという強い願いがかなったものの忙し過ぎる。
これまでは寅子が花江(森田望智)と交代で朝ご飯を作っていたけれど、任せっきりになってしまいます。これまでとは、おそらくはるが亡くなってからでありましょう。はるがいない分、家事の手が足りなくなったことは想像に難くありません。
優未(金井晶)も夜、花江たちと寝ることが増えます。これまでより寅子が優未と触れ合う場面が出てきたように感じたのも、これまでははるに優未をまかせていたのだろうと想像できます。
優未は背筋首筋がまっすぐで教育が行き届いて見えます。お母さんといっしょにいる時間は少ないけれど立派に育っているようです。
猪爪家のように大家族であれば、母になっても仕事を優先する選択も可能です。戦後、家族制度が変わって核家族化していきますが、大家族こそ働く女性にとっては助かる形なのかもしれません。
家庭裁判所は忙しく、人手が足りないのに、多岐川(滝藤賢一)が仕事を増やす一方。
愛の裁判所を世に知らしめる”愛のコンサート”をやると言って、出演歌手の選択をはじめます。
コロンコロンレコードは「ブギウギ」に登場したレコード会社です。
「ブギウギ」の脚本家・足立紳さんの名前が「脚本協力」でクレジットされていたので、朝ドラコラボがあるかもしれません。スズ子が出てきたりするでしょうか。
朝ドラ辞典2.0 コロンコロンレコード(ころんころんれこーど)
「ブギウギ」のヒロイン・福来スズ子(趣里)や茨田りつ子(菊地凛子)が契約しているレコード会社。カエルのキャラクターがシンボルマークになっている。モデルはコロムビアレコードではないかと思われる。「虎に翼」にも登場。
そんななか、事件が。事件というか家裁の案件が。
梅子(平岩紙)の夫・大庭(飯田基祐)の妾・元山すみれ(武田梨奈)の遺産相続の問題を寅子が手伝うことにになりました。
妾には本来遺産相続の権利がないのですが、遺言に全財産を残すと記されていると主張するのです。
これぞ家族制度の名残のような大庭家大集合で、昔から変わらず感じ悪い長男・徹太(見津賢)、ものすごくやさぐれている次男・徹次(堀家一希)、感じ良さそうな光三郎(本田響矢)、気難しそうな母親・常(鷲尾真知子)、そして梅子。
寅子と梅子、久しぶりの再会ですが、喜び合う雰囲気ではありません。香淑(ハ・ヨンス)には子供が生まれたそうで、同期がそれぞれの人生を送っていますが、みんなバラバラです。笑顔で一同に介す日がきっとあるよね?と願うばかり。
戦前の民法なら、徹太が全財産を相続できるはずでしたが、いまや、家族で分けることが定められています。でも、遺言書で妾に譲るとある場合は……。他人のドロドロの争いは蜜の味であります。
家族はいろいろ、といえば、先週、お騒がせした道男(和田庵)が猪爪家に夕食を食べに来ています。浴衣はやっぱり直道(上川周作)のものでしょうか。すっかり馴染んでいて、むしろ遠慮がなさすぎるほど。
花江は道男がいるとうれしそうと言われ、こんな色男前にしたらな、という会話が和気あいあいとなされていましたが、道男は猪爪家の子供になりたかったと言ってませんでしたっけ? 息子たちも受け入れちゃっていますが暴力的でなく友好的であればOKなのでしょうか。もやもやします。
トラブルがあっても相手の事情や気持ちを受け止め、受け入れ、他人でも家族のように共生していく。コロンコロンレコードだけでなく、共生精神も「ブギウギ」から受け継がれているようです。
※この記事は「虎に翼」の各話を1つにまとめたものです。
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