アニメ好きライターが選ぶ2021年TVアニメBEST10|作り手のパッションに祝福を

第6位「東京リベンジャーズ」

現実に存在しながら、自分とは無縁、どこか遠い存在……。これまでの人生で、あまり興味がそそられなかったジャンルが「不良モノ」だ。それがこんなにもハマるなんて思ってもみなかった。異常に盛り上がっているという情報をキャッチして、放送開始から少し経って観始めたのだが、気づいたときには「東京リベンジャーズ」に落ちていた。

ノーヘルでバイクをガンガン乗り回し、血まみれになりながらボッコボコに殴り合う不良中学生たち。これらの描写に「警察働け~~~!」「大人たち~~~!」という気持ち(ツッコミ)もなくはなかったが、それ以上に信念に生き背中を預け合って闘う彼らの青さがあまりにも愛おしかった。



ただ唯一、受け入れられていないことがある。場地圭介という宝に、ハロウィンの日に起こった出来事のことだ。

同作は、2期制作も決まっている。しかしいまだ、21話のニカっと笑う年相応の幼い笑顔が頭に焼き付いている。気持ちの整理なんて、つくわけない。つくわけないじゃないか。場地ぁぁぁぁぁぁぁああああああああん!!!!!

でもやっぱり、2期「聖夜決戦編」めちゃくちゃ楽しみにしてまぁぁぁぁぁぁぁあああす!

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第5位「ゾンビランドサガリベンジ」

第1話で主人公の人生がTHE ENDするという衝撃のスタートを切った「ゾンビランドサガ」。1期が放送された2018年の予告で全く予想不可能だった得体のしれないアニメが、「ゾンビアイドルもの」だったという蓋を開けてみても得体のしれない、そしてジャンルに捉われない作品として伝説に残ったことは記憶に新しい。その2期として、2021年に放送されたのが「ゾンビランドサガリベンジ(以下、リベンジ)」である。

満を持しての2期。しかしこれまで、2期で勢いを失ってしまうアニメも見てきた。だからこそ、最高のアルピノライブで終わったほうがよかったのではないかと思ってしまうことを恐れている自分もいた。



そんな不安は杞憂に終わった。リベンジ、第1話からフルスロットル。え? 何? 「イカの魂無駄にはしない~小島食品工場株式会社社歌~」って?

リベンジは、フランシュシュがプロデューサー・巽幸太郎の無計画さに振り回され、多額の負債を抱える身となったところから始まる。どんなハードなゾンビ生なのだろう。ゾンビってだけでもなかなかハードなのに。

そんな突飛でハードな設定に引きずられてもおかしくないアニメにもかかわらず、そうならないのが同作のすごいところだと思う。



1期で絆を確かなものにした彼女たちが、借金をはじめとするお先真っ暗な逆境を跳ね除け、新たなステージを目指す過程はあまりにも熱かった。各話を象徴するライブシーンはもちろん、ラストの駅前不動産スタジアムでのライブは涙なくして観られなかった。家でペンライトを何度振っただろうか。



そしてフランシュシュは、復讐のその先へと銘打ち、スクリーンへと歩みを進める。予告でわからせる気が毛頭ないところも、相変わらずだ。

何が起こるかわからない。蓋を開ける楽しみを味わわせ続けてくれる。そんなフランシュシュそしてゾンビランドサガが大好きだ。

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第4位「Fairy蘭丸~あなたの心お助けします~」

制作陣の皆さんには本当に申し訳ない。観る作品をあらかた決める事前チェックからも漏れるくらい、全く観る予定のないアニメがこの「Fairy蘭丸」だった。



筆者の心を鷲掴みにしたのは、夜にたまたまテレビをつけていたら始まった口上だ。トランペットの音色をバッグに紡がれる必〇仕事人を彷彿とさせるそれのせいで、気づけば締め切りが迫っている原稿を放置してテレビに喰らいついていた。

もうそこからは一瞬。5人の夭聖(ようせい)が愛著(あいじゃく)なるものを集めるために人間界へ派遣され、虐げられている人を救う物語なのだが、途中にぶち込まれる情報が多すぎて、頭の整理が終わらぬまま1話が終わった。

なかでも人間から夭聖の姿への変身シーンは、まるでどこかの美少女戦士だった。かつて少女だった頃の記憶がよみがえる。



そしてこの追い打ちだ。敵のもとへ出陣するたびに流れる夭聖たちの昭和歌謡風テーマソングのクセがすごい。艶やかな歌と書いて“艶歌(えんか)”と呼ぶらしい。もうすでに情報過多なのだが??



そして駆け抜けるように物語が終わったかと思えば、このエンディングである。今が令和であることを忘れてしまいかねない、ムーディーな楽曲が脳にこびりつく。そろそろ勘弁してほしい。

と、あまりの情報量に話の内容がすっ飛びかねない同作なのだが、ストーリーもクセもすごい。いじめや労働搾取、浮気など、虐げられている人を夭聖たちは必死に救おうとする。しかし、救った先に必ずしもハッピーエンドが待っていないのだ。人の業の深さや情けなさが、物語をきれいサッパリ勧善懲悪モノとして終わらせない。ここに、どうしようもなく現実を生きる大人の悲哀が感じられる。

同作の指揮をとった菱田正和監督によると、「Fairy蘭丸」はレモンサワーを片手に観るのを想定した作品だという。たしかにその通りだと思った。

さあ、大人のアニメの時間だ。レモンサワーの準備はできているだろうか?

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