<ちむどんどん ・結婚・夫婦編>76回~95回の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第92回のレビュー
暢子(黒島結菜)の独立話は進行していきます。三郎(片岡鶴太郎)に紹介された信用金庫の坂田学(安井順平)さんに事業計画をチェックしてもらったり物件を見せてもらいます。なぜか坂田が「しまった!」とテンション高いなあと思ったら、入れ違いに「暢子!」と賢秀(竜星涼)テンション高くあまゆにやって来ます。
結婚祝いに「200万円引換券」という肩たたき券みたいなものを持参し、マルチ商法のビタミン剤を販売していると報告します。あーあ……。
たぶん、「部にして返す」や「200万円引換券」は伏線だと思うんですが(そう思わないと見ていられない)、何度、インチキ商売をやり続けるのか。和彦(宮沢氷魚)は新聞記者にもかかわらず、傍らでぼーっとしているだけなのが謎過ぎます。
内容はあーあ、なのですが、賢秀はドラマの初期からずっと変わらないテンションをキープし続けていて、そのおかげで、キャラが定着しました。これはとても立派なことです。批判の声もあるなか、ブレずにおばかキャラを演じ続ける。大変尊いことです。おそらく、劇団☆新感線での経験が役立っていると思います。
それに比べると、暢子は今週、急に元気がなくなって、暢子らしくありません。独立することが重く背中にのしかかっているのです。励ますのは歌子(上白石萌歌)。ヤング大会のときから、お店を持つことは運命づけられていたのだと言います。披露宴での突然の沖縄料理店をやる宣言はまさにヤング大会での東京に行く宣言と同じでした。
杉並に物件を見に行くと、なかなかいい感じの物件で、目を輝かせる暢子。でも家賃が予算オーバー。失敗したら借金だけが膨らむと、賢秀と違って堅実です。
このとき、物件の向かいにキッチン○○軒という洋食店がありました。ちょっと「ひよっこ」のすずふり亭を思い出すような店構えで。以前、「ひよっこ」の岡田惠和さんにインタビューしたとき、みね子が結婚後、荻窪あたりでレストランを開業するまで描く構想もあったという話をされていたので、もしかしてみね子のお店だったら面白いなあと思ったりしました。この間、ドラマ「拾われた男」にも、「ひよっこ」の撮影シーンが再現されていたので、リメンバー「ひよっこ」。竜星涼さんや矢作役の井之脇海さんも出ていて、ラーメン屋台で交流するエピソードがすごく良かったのですよね。
賢秀のマルチ商法、暢子の独立問題と、お金の絡む、生臭い感じが漂うなか、やんばるでは、優子(仲間由紀恵)が孫の晴海(佐藤風和)の野菜嫌いを治そうと、畑に誘います。
「野菜の声が聞こえる」
野菜との語らいを通して、野菜に親しんでいく、優子の素朴でやさしい教えが、自然の風景と相まって、一服の清涼剤となりました。島らっきょう、あのきりっとした辛味がいいんですよね。食べたい。
※この記事は「ちむどんどん」の各話を1つにまとめたものです。
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