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2022年07月27日

<雪女と蟹を食う>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<雪女と蟹を食う>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


第10話ストーリー&レビュー

第10話のストーリー

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北(重岡大毅)と彩女(入山法子)は、ついに“最期の地”と決めた稚内までたどり着く。ホテルのロビーで一編の詩に出会い「生」に想いを巡らせる北。北とは対照的に「死」への強い決意を感じさせる彩女。部屋に向かう途中、ふとブライダルサロンが目に入り、北は彩女が結婚式を挙げていないことを知る。彩女の表情からウエディングドレスへの憧れを感じた北は、なんとかして彩女にドレスを着させようとスタッフに掛け合うが…。

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第10話のレビュー

Ⓒ「雪女と蟹を食う」製作委員会

ついに日本のどん詰まり、稚内にやってきた。襲ったり襲われたり、だんだんと気持ちが芽生えたり、疑ったり戸惑ったり、いろんなことがあってここまできた。

宿泊するホテルで、結婚式の前撮りをするカップルに遭遇する北(重岡大毅)と彩女(入山法子)。白いドレスに身を包んだ笑顔あふれる新婦を、物言いたげに見つめる黒いワンピース姿の彩女。

我に返り、蟹を食べられるお店の話をし出す彩女は、生きることへの未練を振り払っているように見えた。物語の結末を変えたいという力強い北の目の中に、2人の未来への光を探したのは筆者だけではなかったはずだ。

北はウエディングドレスを着たことがない彩女のために「彼女もうすぐ死ぬんです」とまで言って、ドレスを着せてもらえるよう交渉する。彩女は北を止めようとしたけれど、押されるままにドレスを着ることに。

Ⓒ「雪女と蟹を食う」製作委員会

ここのところ黒ばかり身に纏っていた彩女のウエディングドレス姿は、美しかった。いつもより柔らかいメイクが、張り詰めた時間を緩める。

印象的だったのは彩女を見たときの北。驚いて、呆然として、そのあと笑顔になって涙がこぼれる。表情だけで感情を雄弁に語る、俳優・重岡大毅の真骨頂のようなシーンだった。

北は幸せを実感していた。幸せはここにも、そこにも、どこにでもあるということを。夜空で見つけられなかった蟹座のように、たしかにそこにあったのに、見えていなかっただけだということを。絶望の淵から飛び降りるためにはじめた旅で、彩女と過ごす一瞬一瞬を幸せに感じられるようになっていた。

北は、ホテルに飾られた「人は生きるべき」と書かれた詩に感化され、生きねばという思いをさらに強くする。


Ⓒ「雪女と蟹を食う」製作委員会

だが、その思いは彩女には届かない。北が彩女を抱きしめても抱きしめ返すことはなく、体を重ねても人形のように無反応だった。お風呂上がりのさっぱりとした無垢な顔の彩女に、背筋を冷たいものが走った。

北は彩女の本当の絶望を知らない。なぜそこまで死にたいのかと食い下がるが、理由は語らずも彩女の意志は固い。「明日、蟹を食べて死ぬ」。来てほしくない約束の日が、もう目の前に迫っている。


※この記事は「雪女と蟹を食う」の各話を1つにまとめたものです。

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Ⓒ「雪女と蟹を食う」製作委員会

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