<ちむどんどん・独立編>96回~115回までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第108回:いよいよテーマを畳み掛けてきた?
「おはよう日本 関東版」でも、賢秀(竜星涼)と清恵(佐津川愛美)の「出ていけ」「ここ私の家」のやりとりが取り上げられていました。「日本中がツッコミましたよね」と三條アナ。こんなふうに朝、ほのぼの可笑しさを共有できるといいのですけれど。その会話に至る問題がけっこうヘヴィなので……。暢子(黒島結菜)は休業を決意。料理の味やメニューを見直すことにしました。
改装中ということで休業にしていましたが、いったいどれくらいの期間を予定しているのでしょう。
家賃もかかるから、長くは休んでいられないってことですよね。飲食店ってそういう感じなのでしょうか。筆者は飲食店経営に関してはまったく知識がないのでわかりません。
うすぼんやりと思ったのは、最近の若い方は日本の経済が困窮しているため未来を儚んで結婚も出産も諦めているみたいなので、世をはかなむことなかれで冒険してみることを暢子を通じて提案しているのではないかということです。でもこのドラマの展開だとあまり参考にならないし、ますます未来が閉ざされてしまいそうで心配になります。
とはいえ、第108回は暢子の未来が開けるような話になります。過去が暢子の未来を下支えする流れです。
暢子を励ますために、房子(原田美枝子)のイタリア帰国祝いという名目で、アッラ・フォンターナで食事会が行われました。
そこで房子はイタリアと沖縄は豚をまるごと料理に使うという点で似てると言い、命を大切にいただくと二ツ橋(高嶋政伸 たかはハシゴダカ)が言い、一気にドラマのテーマを畳み掛けはじめます。第107回では、何があっても食べることの大事さを、重子(鈴木保奈美)が語り、それは「ごちそうさん」を思い出させ、第108回の「出汁は料理の基本」は「なつぞら」を思い出しました。大事なことがぎゅっぎゅっと詰め込んできています。最終回までもう時間がないですからね。そうしないと。
房子が語るその土地のその食べ物に込められた人の思いを大事にすることが暢子の料理に影響を及ぼすことでしょう。
1、生きるために食べる
2、命をいただく 命の循環
3、できるだけすべてを使う始末の精神
4,食べ物に込められた土地や人の思いを大切に
5、基本を忘れない 出汁の大事さ
さらにそこに、寛大(中原丈雄)による「海から豚がやって来た」の話が語られます。沖縄出身の津嘉山正種さんが演じた嘉手刈による遺骨収集の話に次ぐ沖縄の歴史です。今回は当時の写真も出てきました。これぞNHKのドラマという感じです。
「海から豚がやって来た」の話は、賢秀が猪野養豚所に来たときに触りが出てきました。そのときはそのままになっていたことを伏線回収と喜ぶ感じではないですが、ようやく出てきてすっきりしました。そのときすでにネット検索して調べてしまったので(たぶん、そういう人、少なくないと思います)、こんなに空ける意味が感じられないのですが、暢子にはヒントになったようです。和彦(宮沢氷魚)もメモをとって、記事のネタにしそうです。
前述した、1〜5にまとめた食の基本精神を”豚”に集約させることになりそうです。沖縄と豚は切っても来れない関係。
そもそも比嘉家が豚を飼っていて、飼った豚を泣きながら食べたことが、比嘉家の”食”と”生きる”ことの原点だと思われます。
食事会のあと、なぜか妙な時間差があって、矢作(井之脇海)がちむどんどんに戻ると、暢子と和彦が1階で矢作に辞めてもらう相談をしていました。
矢作を無理に店に呼んでおいて、こんなに早く辞めてもらうなんて。しかも経営問題を1階で……。第107回は2階で話していたのに。フォンターナでは元同僚に嫌がらせされて、矢作も自業自得とはいえ、こういうところだけ念入りな描写なのはなぜ……。
「うちがもっとしっかりしていたら」と反省する暢子。やっと自分の後先考えない言動が他人に迷惑をかけることを学びはじめたようです。
矢作も振り回されて可哀想だし、寛大はいい話をしたのに食事させてもらえないまま店を出るはめになって可哀想でした。こっちは賢秀の身勝手。比嘉兄妹、そろそろしっかりしてほしい。
そういえば、歌子(上白石萌歌)はなぜ食事会にいない???
※この記事は「ちむどんどん」の各話を1つにまとめたものです。
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