<ちむどんどん・独立編>96回~115回までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第109回:矢作が40万円の入った封筒を……
ちむどんどんの経営が思わしくなく矢作(井之脇海)に辞めてもらうしかない状況。その話を立ち聞きしてしまった矢作はおりしも元・同僚の桃木(池田航)に一緒に店をやらないかと誘われて……。桃木さん、フォンターナでほとんど出番がなかったけれど、桃木雄三というフルネームがありました。
矢作によくかかる劇伴はやや電子音ふうの(「17歳の帝国」みたいな)ものでなんだか違和感ありますが、いつものその曲が流れ、心揺れて見えます。
ある日、暢子(黒島結菜)が鶴見信用金庫の坂田(安井順平)に支払う40万円を店に忘れ、留守を任されていた矢作が発見。そのときの劇伴はほのぼのしたもので……。矢作は盗まないよという意味合いなのかもしれませんが、違和感ありました。
劇伴がしっくりこない……。愛役の飯豊まりえが出ている人気ドラマで、12月にも第三弾が放送される予定の「岸辺露伴は動かない」では、音のつけかたをほんの少し違和感あるものにしているそうで(2021年12月24日公開「みんなのドラマ」演出家渡辺一貴さんインタビューより)そういうズラしは作品世界と合った選択だと感じますが、「ちむどんどん」でズラす必要性を感じないですが……。
矢作が盗んだのでは? と皆の胸に疑惑が沸くときは、ふつーに深刻な劇伴でした。
それにしてもお金を支払うのが目的で出かけたにもかかわらずそれを忘れていくなんて……暢子ドジっ子過ぎる。
智(前田公輝)は「泥棒がそんな簡単に改心するわけ?」と頭ごなしで……。以前のレビューにも書きましたが、賢秀(竜星涼)を代表として身内は何してもゆるすのに、距離のある人のことはこんな言い方するの、ひととしてどうかと思います。
暢子だけはすっかり低姿勢で、これまた智は「暢子は自分より相手のことを考える人間です」と信頼を語ります。うっそーー。これまで暢子がどれだけ自分、自分だったか……。
もうめちゃくちゃで笑いが止まりません。これまでわりと無表情で見ていたのですが(チベスナ的な顔で)、本日ついに根負けして、笑いながらこれを書いています。
人間はそうそう一貫性のあるものではないとはいえ、日常で身近にこういう人たちがいたらメンタル疲れてストレスたまりまくり、格好のSNSネタだし、飲み会の愚痴のネタです。
矢作だけが失敗を糧に反省し、いやがらせされても堪え、お金を前にしても心を動かさず、暢子の船に乗り続ける決心をします。
船とか冒険とか、急に「ONE PIECE」的な感じになってきました。
第108回で「海から豚がやって来た」の話が出たからでしょうか。ハワイに移住した沖縄の人たちが戦争で食糧難になった沖縄を救うため海を渡って豚を届けたという感動実話。このとき、果敢に船に乗った七勇士たちに暢子と仲間たちをなぞらえようとしているのではないかと推測します。この逸話もスペシャルドラマになりそうですものね。
豚の話はハワイに移住した沖縄の人たちが沖縄の食を助けたというもので、本土の人が助けた話ではありません。そこに「ちむどんどん」の登場人物が身内で固まってしまう理由が隠されている気もします。
※この記事は「ちむどんどん」の各話を1つにまとめたものです。
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