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2022年11月09日

<エルピス—希望、あるいは災い—>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<エルピス—希望、あるいは災い—>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー


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向けられた疑惑の目!地元有力者の息子・本城彰という男は何者か?
聞き込みを重ねた拓朗(眞栄田郷敦)は、女子中学生の死に隠された超重要証言にたどり着き、またしても事件の真相に近づこうとしていた。
しかし、恵那(長澤まさみ)の反応は妙に鈍く、二人の間にはひたすら気まずさが漂っていた…。

かつて迷い込んだ商店街で、暗がりのなか、えたいの知れない雰囲気と危険をはらんだ瞳で恵那(長澤まさみ)を惑わせた男——。その人物こそが、大門副総理(山路和弘)の有力な支援者である「本城建託」社長の長男・本城彰だという。あの男には何かある——。そう直感した恵那に頼まれ、拓朗(眞栄田郷敦)が調べると、彰に対する地元の評判は上々。だが一方で、その存在があまり知られていないことも分かった。八頭尾山で3人目の女子生徒が殺されてから、再び犠牲者が出るまでの12年間、彰は海外を転々としていたという。

連続猟奇殺人の犯人について、ある“仮説”を立てた拓朗は、再び八飛市で聞き込みを行い、最後に殺された中村優香と親しかった高岡ひかるにたどり着く。ひかるは、亡くなった優香をどこか快く思っていない様子だったが、拓朗がある質問をすると、当時のことをぽつりぽつりと話し始めた…。さらに、ひかるの携帯電話に残されていた写真が、拓朗をさらに突き動かすことになる。

事件の真相に近づこうと突き進み、興奮気味に報告をしてきた拓朗に対して、恵那の反応は妙に鈍かった。強いいら立ちを隠せない拓朗はついに、恵那に“本心“を問い詰めたが、返ってきた言葉は…。

第8話のレビュー

真実とは、なんだろう。このドラマを見るたびに、考えさせられる。恵那(長澤まさみ)も岸本(眞栄田郷敦)も、松本(片岡正二郎)の冤罪事件を解決すべく、真犯人を見つけようと思っている。

その気持ちは一緒のはずなのに、立場が違うだけで、真実に対する姿勢も異なるように見えるから不思議だ。片や報道番組の看板アナウンサー。片や経理に飛ばされ、後に解雇通告を受け退社に追い込まれた一社員である。

恵那としては、好きなように動きたくとも、あらゆる制約がそれを許さない。看板アナウンサーゆえに、番組の行く末を背負っている身だ。スタッフ全員の生活がかかっている。いくら特ダネがあっても、そうホイホイと扱うわけにはいかないだろう。

松本が逮捕された後、八頭尾山で行方不明となり、遺体となって見つかってしまった中村優香。彼女と仲が良かった(本人は「親友じゃない」と言い張るが)高岡ひかるに接触が叶った岸本は、さらに本城彰(永山瑛太)の存在に迫っていく。

どうやら、ひかると優香は、本城彰をめぐって関係が悪化したらしい。ふたりとも彼に思いを寄せていたことから、言い合いになった。優香はたびたび、ひかるの自宅に遊びに来ていたようだが、ひかるから「出ていけ!二度と来るな!」と言われた日から姿を消し、その10日後に遺体となって見つかった。

松本を取り調べしていた刑事が、優香の持っていたスマホから本城彰の写真のみ消していた事実も明らかに。やはり、警察側は本城彰が真犯人だと、確信を得ていたのだ。なのに、隠した。その事実は、重い。

加えて、優香が所持していたストール、そして過去の被害者のひとりである井川晴美(葉山さら)のスカート、双方に付着していたDNAが一致した。

岸本が、3軒もまわってDNA鑑定を依頼したため、結果は確実である。しかし、「ニュース8」は取り合ってくれない。「スクープじゃなく、後追いであれば扱える」の一点張りである。

恵那に一縷の望みをかける岸本だが、反応は変わらない。彼女としても苦しい立場ゆえに、相容れないふたりである。ここで思い出されるのは、回想シーンでも出てきた恵那のセリフだ。

「本当に正しいことなら、道は開けていく」

そして、味方も増えていくはずだ、と。

恵那が率先して動けていた時期は、この言葉も信じられた。しかし、今となっては、岸本だけじゃなく我々視聴者にとっても疑わしい言葉になってしまっている。

状況は八方塞がりで、まさに岸本の周りには敵だらけ。ここから打開できる道なんて、見出せるのだろうか。

すっかり姿を見せなくなったチェリー(三浦透子)も、今回は存在感を消していた斎藤(鈴木亮平)の存在も気になる。このドラマの行く末が、この国の“真実への向き合い方”を示唆している気さえするのに。果たしてあと数話で、納得のいく結末が見られるのだろうか。


※この記事は「エルピス—希望、あるいは災い—」の各話を1つにまとめたものです。

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