<エルピス—希望、あるいは災い—>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
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恵那(長澤まさみ)は、一刻も早く松本良夫死刑囚(片岡正二郎)の冤罪(えんざい)を証明しなければと焦りを募らせる。そんななか、弁護士の木村(六角精児)から新聞記者の笹岡まゆみ(池津祥子)を紹介された恵那と拓朗(眞栄田郷敦)は、新聞社が保有する当時の事件資料を手に入れることに成功。まゆみは政治部の記者だが、聞けば、一連の殺人事件の現場となった八頭尾山に思い入れがあり、事件について個人的に調べたところ、真犯人による犯行の可能性に行きついたという。
強力な助っ人の登場に勢いづいた恵那は、早速、資料をもとに12年前に事件の捜査に関わった八飛署の刑事・平川勉を訪ねる。しかし平川は、すでに最高裁で判決が下されていることを理由に、「犯人は松本で間違いない」の一点張り。実際に取り調べを行った刑事にも話を聞こうとするが、すでに退職して所在は不明だった。
ところが2週間後、拓朗が思わぬ方法で居場所を突き止め、恵那は松本の自供を引き出したとされる山下守元警部にインタビューを敢行。核心をつく質問に、どこか歯切れの悪い返答をする山下の様子を見て、恵那は当時の取り調べに、ある疑念を抱く。そして、撮影した映像を拓朗と編集していると、編集室のドア越しに、斎藤(鈴木亮平)が中の様子をうかがっていて…。
第3話のレビュー
死刑が執行された3人のなかに、松本良夫(片岡正次郎)は入っていなかった。ホッと胸を撫で下ろしたところで、第3話に登場する3人の新キャラを振り返りたい。まず、木村弁護士(六角精児)から紹介された政治部の記者・笹岡まゆみ(池津祥子)。まさにマシンガントークというやつで、なかなか刺激的なキャラクターに恵那(長澤まさみ)と岸本(眞栄田郷敦)は圧倒されてしまう。
八頭尾山に思い入れがあり、個人的に事件を調べている彼女のおかげで、恵那たちは多くの情報を得た。当時、松本死刑囚の取調べを担当した刑事にインタビューが叶ったが……。やはり、松本は冤罪ではないかと思わざるを得ない内容だった。
この勢いに乗り、被害者遺族にコンタクトを取ろうとするが、難航する。
なんとかインタビューが実現した井川純夏(木竜麻生)は、被害者の一人・井川晴美の姉。
井川晴美は、犯人と思しき人物とともに八頭尾山に入る姿を目撃されている。彼女は下着を売る商売をしていたのではないか、と無責任な憶測をされていた。
まるで、それなら被害を受けても仕方ない、と言わんばかり。自己責任を押し付ける風潮には、冷静な姿勢で臨みたい。
「何がなんでも、信じるわけにはいかないって思ってきました」
純夏の強い言葉に後押しされた恵那。順番が前後するが、彼女はもうひとり、無視できない人物と接触している。暗い、高架下のような場所で、民芸品を売るような店で出会った謎の男(永山瑛太)だ。
目元に怪しい光が宿る男。髪は長く、20代に見ようと思えば見られる。あからさまに、八頭尾山で目撃されている真犯人のプロファイリングと一致する。
しかし、彼を真犯人と決めつけるのは、まだ早い。
明らかに「この人が真犯人ですよ〜」とミスリードを誘う見せ方なのである。
この謎の男が出現したシーンは、まるまるカットされても物語の展開に支障がない部分だ。
ドラマ「最愛」と同じように、序盤で伏線らしきものを散りばめておき、良きタイミングで必要なものだけ回収する手法であることを、私たちは視野に入れておこう。
3人の新キャラにより、いっそう物語が加速した。
次回以降のキーとなるのは、精魂込めて作ったVTRを騙し討ちのように放映した余波が、どのように物事に影響するか。
そして、「話したいことがある」と言って恵那の自宅にやってきたにも関わらず、一夜を過ごしただけで帰っていった斎藤(鈴木亮平)の真意やいかに、といったところか。
※この記事は「エルピス—希望、あるいは災い—」の各話を1つにまとめたものです。
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