<エルピス—希望、あるいは災い—>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第5話ストーリー&レビュー
第5話のストーリー
▶︎「エルピス—希望、あるいは災い—」画像をすべて見る
松本死刑囚(片岡正二郎)の再審請求が棄却され、責任を感じたチェリー(三浦透子)が自殺を図る。しばらくすると、拓朗(眞栄田郷敦)たちも特集の続編を制作することを禁じられ、あらがえない大きな力に脅威を感じた恵那(長澤まさみ)は、制作中止の理由も問わぬまま、上層部の決定を静かに受け入れる。だが、世間の反響が大きく視聴率も良かっただけに、拓朗はどうしても納得できない。
行き場のない正義感をまとった拓朗は、単独で、事件の目撃証言をした西澤(世志男)の身辺を調べ始める。すると、西澤がかつて、事件のあった八頭尾山のふもとの町に住んでいたことが判明。さらに現地で聞き込みを続けると、西澤の息子・健太の親友だという男が現れ、西澤の新たな顔が浮かび上がってくる。そこに、いちるの望みをかけた拓朗は、男を介して、ある人物に接触を試みることに…。
一方の恵那は、元恋人の斎藤(鈴木亮平)と再び良好な関係を築き始めていた。その矢先、同期で報道部の滝川雄大(三浦貴大)から、斎藤が警察に多大な影響力を持つ、とある大物政治家と親密な関係であることを聞かされて…。
第5話のレビュー
一発逆転、決定的で最強の真実を掴んだ岸本(眞栄田郷敦)。予告では完全に闇落ちしていた彼。どうなることかと思ったが「がむしゃらに動いていたほうが、楽だから」といった理由で文字通り動きまくっていたら、状況を覆すネタを手にした。
松本(片岡正次郎)逮捕の決め手となった、八頭尾山での目撃証言。唯一「松本を見た」と証言した西澤正と、「若くて髪の長い男を見た」と証言したその他の人。この食い違いを、岸本は掘っていった。
独自取材の末、西澤の元妻とコンタクトを取ることに成功。
井川晴美(葉山さら)が亡くなった日、西澤は酒に酔って寝ていた。激しいDVに悩まされていた元妻は、さんざん暴れて寝てしまった元夫の姿をよく覚えているという。八頭尾山で松本の姿を見られたはずがない、あれは嘘だった、とカメラの前でハッキリと口にした。
加えて、あの日は「獅子座流星群の日だった」という回想も、晴美の姉・純夏(木竜麻生)の話と一致する。
西澤が嘘をついた理由は、金に目が眩んだため。松本の誤認逮捕を揉み消すべく、国家権力が動いた可能性が浮上する。
再審拒否された松本、責任を感じ自死を図ったチェリー(三浦透子)、上からの圧力によって本件から離脱した恵那(長澤まさみ)。岸本が掴んだ最強の一発逆転ネタは、状況をガラリと一変させる力を秘めている。
ここでキーパーソンとなるのは、謎の男(永山瑛太)と斎藤(鈴木亮平)か。
謎の男は、一度だけ恵那と会話して以来、姿を潜めている。どうやら、あの店も畳んでしまったようだ。仮に彼が真犯人だとしたら、どうやってそれを暴くかがキーとなるだろう。
そして、斎藤である。
一発逆転ネタを有した岸本に対し「先に俺に相談してほしい」と先手を打った斎藤。彼は副総理の大門と懇意にしている。親切な顔をしながら、権力で真実を握り潰そうと動く可能性は、大いにある。
恵那と斎藤は復縁し、どうやらプロポーズまで済ませたようだ。いつ「じゃあなんでソファ買ったの?」と言い出してもおかしくない状況にある。
権力をとるか、恵那をとるか……。斎藤もまた、究極の二択を迫られる日がくるのかもしれない。
一発逆転ネタを「フライデーボンボン」で流す機会は失われた岸本。
だが、恵那から「君は、本当にすごいことをしたね」と純度100%の賛辞を受けたことで、食欲と睡眠欲が戻ってきた。彼の中に長いこと燻っていた、同級生を助けられなかった後悔が、少しずつ癒えはじめていることを祈りたい。
※この記事は「エルピス—希望、あるいは災い—」の各話を1つにまとめたものです。
→元記事はこちら
→目次へ戻る
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)カンテレ