国内ドラマ

REGULAR

2022年11月09日

<エルピス—希望、あるいは災い—>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<エルピス—希望、あるいは災い—>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー


▶︎「エルピス—希望、あるいは災い—」画像をすべて見る


目撃証言の虚偽を暴いた拓朗(眞栄田郷敦)一世一代のスクープは、
再審への足掛かりになるはずが、予想外の事態を巻き起こし…。
恵那(長澤まさみ)は古巣の番組へ凱旋出演!?

西澤正が「松本死刑囚(片岡正二郎)を見た」というのはうそだった—。逮捕の決め手となった目撃証言が覆されたことで、再審は現実味を帯び、恵那(長澤まさみ)は再び奮い立つ。さらに、拓朗(眞栄田)がつかんだこの事実は、かつて報道局に在籍していた村井(岡部たかし)の魂にも火をつけ、事が事だけに報道部に任せるべきだという恵那や名越(近藤公園)の言葉をよそに、村井は『フライデーボンボン』で大々的に報じると宣言する。

オンエア後、日本の司法を揺るがす新事実に世間の反応はすさまじく、あらゆるメディアが動き出し、情報提供者である西澤の元妻・吉村由美子も不安を隠せない。さらに、恵那たちの考えがいかに甘かったかを思い知らされる、取り返しのつかない事態が起きてしまう。

社内では緊急幹部会が行われ、この大事な局面に、恵那が局の看板番組である『ニュース8』に“事件を追っていた記者”として出演することが決まる。本来なら古巣への凱旋出演を喜ぶところだが、恵那の中には、斎藤(鈴木亮平)が副総理大臣の大門(山路和弘)とつながっていると知ったときから、ある疑念が。その不安を払拭するべく、恵那は出番を待つばかりであった…。


第6話のレビュー

松本(片岡正二郎)を逮捕するきっかけとなった目撃証言は、金のためについたウソだった。

西澤正の元妻による証言が、深夜バラエティ「フライデーボンボン」で特集されるや否や、世間は大混乱。岸本(眞栄田郷敦)が掴んだとっておきの“一発逆転ネタ”が、停滞した状況を一気に動かしたのだ。

村井(岡部たかし)が強行突破したこともあり、いよいよ報道部も黙っちゃいられない状況である。松本が冤罪かもしれない、このネタを扱わないわけにはいかないと、恵那(長澤まさみ)の古巣である「ニュース8」で本格的に取り上げることになった。

しかし、事態は良い方向ばかりには流れない。

これを機に、身の危険を感じた西澤本人は逃亡。彼から新たな証言を取ることは、難しくなってしまった。つまりそれは、松本の冤罪を晴らすための新たな捜査も、厳しくなってしまったことを意味するはず。

「この事実を、いかに正しく広く視聴者に伝えるか」……恵那のポリシーは立派だが、正しいことをする者は常に矢面に立つことになる。社会はそういう風にできていると、痛感させられる。

そして、本格的に権力に盾ついたフライデーボンボンは打ち切りに。村井は子会社へ左遷、岸本は経理部へ異動になってしまった。

せめてもの救いは、恵那がニュース8に返り咲いたことか。

熱愛スキャンダルでニュース8を降板になった恵那としては、どんな流れであれ、報道番組に戻れたことは快挙だろう。「アナウンサー」という枠に逃げ込まず、自身の責任から逃げ出さなかった報いが、しっかり返ってきたとも解釈できる。

しかし、報道畑に戻ったことによって、彼女には時間と気力の余裕がなくなった。

これまでのように、岸本と一緒になって、松本冤罪事件を調べることはできないだろう。彼女もまた忙しさの波にのまれ、斎藤(鈴木亮平)のように「大事なことを忘れ」てしまうのではないか?

そう、厄介なのは斎藤なのである。

銀座の寿司店で、そっと恵那に指輪を渡す斎藤。確か前回くらいで、左手薬指に指輪をしている恵那の姿が見られたので、陰でちゃんとプロポーズしていたのか……と思いきや。

「大事なことを、絶対に言葉にしない」

と、きたもんだ。このシーンを目撃した8割強の方には同意いただけるはずだが、言葉にするのを億劫がる人間をパートナーに選ぶとロクなことがない。

大門副総理と濃いめに繋がっている斎藤は、松本の件が明るみに出るや政治部官邸キャップから退いた。上司からの「大門さんのところに行くのか?」の問いには明確に答えなかったが、その直前に、自ら別れを告げるメッセージを恵那に送っている。

これは、もう、そういうことだと思って間違いないのかもしれない。

大事なことは言葉にしない。それなのに、別れの言葉はしっかり文面にして送りつける斎藤。せめて直接会って、顔を見ながら言ってほしいとも思うが……メッセージだけであれだけ過呼吸気味になってしまう恵那には、それは酷なことなのかもしれない。

斎藤が選ぶのは、恵那か、それとも権力か。


※この記事は「エルピス—希望、あるいは災い—」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る


無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

(C)カンテレ

RANKING

SPONSORD

PICK UP!