<エルピス—希望、あるいは災い—>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
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再審への突破口となるか!?飛び込んできた奇跡的なニュースに期待が高まる恵那(長澤まさみ)!
つながる点と点——。その先に、ある人物の存在が浮かび上がる!
副総理大臣の大門(山路和弘)が八飛市出身だと気づいた恵那(長澤まさみ)は、新聞記者のまゆみ(池津祥子)に大門の身辺調査を依頼。かつての斎藤(鈴木亮平)の言動から、警察に対し絶大な力を持っていた大門が、事件に何らかの形で関与しているのではないかと考えたのだ。
一方、経理部へ異動した拓朗(眞栄田郷敦)もまた、引き続き事件を追っていた。しかし、新たな手掛かりは何も得られず、調査は八方ふさがり。このままでは松本死刑囚(片岡正二郎)を救い出すどころか、事件は風化してしまう——。落ち込む拓朗が村井(岡部たかし)に愚痴をこぼしていると、そこへ、とんでもないニュースが飛び込んでくる——!
やがて、まゆみの協力により大門に関わる重要人物のリストを手に入れた恵那は、ある仮説を立証すべく、多忙な自分に代わってその人物たちを調べてほしいと拓朗にリストを託す。局の看板アナウンサーに返り咲き、もはや自分とは違う世界の住人となった恵那の態度に、不満とどこか寂しさを感じる拓朗。するとその矢先、拓朗の元に意外な人物から電話がかかってきて…。
第7話のレビュー
「エルピス」第3話のレビューにて、筆者は「謎の男(永山瑛太)を真犯人だと決めつけるのは、まだ早い」と書いた。7話にて、前言撤回させてもらいたい。かつて「言うことは何もない」と主張していた、あの刑事。過去に松本(片岡正二郎)を捜査し、死刑囚にした刑事のうちのひとりが、岸本(眞栄田郷敦)に連絡してきた。
そして、松本は無実、真犯人は別にいる、とはっきり口にしたのだ。
ここまで見守ってきた視聴者は、ほとんどがその可能性を信じてきたはずである。しかし、こうも決定的な展開を見せられると、ついに物語も佳境に差し掛かっているのだと痛感する。
恵那(長澤まさみ)は、報道番組「ニュース8」の看板アナウンサーに復帰した関係で、なかなか時間がとれない。そんな彼女の代わりに、岸本が動く。独自の捜査を重ねるうちに、かつて、あの謎の男が店を出していた付近で、やたらと「本城」の名を聞くことに思い至る。
本城は不動産会社を営んでおり、ここら辺一帯はみんなお世話になっている、と喫茶店のマスターから情報を得る岸本。
なんと、本城は大門副総理と懇意の間柄だという。そして、あの謎の男は本城家の長男・彰であることが判明。パズルのピースが完全にハマったわけだ。
あの刑事は、こうも言っていた。「何がなんでも真犯人を逮捕させたくないようだった」と。確実に、上層部の企みが動いている。
シンプルに考えるなら、オイタをしてしまった長男を助けるため、お父さんが親友の副総理に頼んで罪をチャラにしてもらった……といったところか。
まるで、韓国ドラマ「梨泰院クラス」に出てきた、人を轢き殺した長男を助けるべく警察に口利きをする父親のようである。どの国にも、権力を私的に使おうとする図があることを示唆しているようだ。
ここまで来たら、あとはもう真相解明に向けて突っ走るだけ。誰もがそう思うタイミングで、なんと松本のDNA再鑑定が人を食ったような結果に終わる。再鑑定不可……。おそらくは動かぬ証拠が出たはずであるが、大門副総理の圧により揉み消されたのだろう。
真実はすぐ掴める距離にあるはずなのに、なかなか、遠い。
大門副総理の存在をなんとかしなければ、この事態は動かないように思われる。そうすると、やはりキーパーソンとなるのは斎藤(鈴木亮平)か。
退社し、フリーとなった斎藤は、朝の情報番組で政治解説をするポジションになっていた。このまま大門側についてしまったら、屈強な壁を崩すのは、ますます厳しくなってしまうだろう。
せっかく恵那が買い戻したベッドやソファも無駄になってしまう。早いところ、二人には再びヨリを戻してもらいたい。斎藤に人の心が残っているのなら、恵那のためにどう動くべきかわかるはず。彼女に贈った指輪の意味を、今一度考え直してもらいたいものだ。
※この記事は「エルピス—希望、あるいは災い—」の各話を1つにまとめたものです。
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