<ラストマンー全盲の捜査官ー>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
▶︎「ラストマンー全盲の捜査官ー」画像をすべて見る心太朗(大泉洋)とのバディで事件を立て続けに解決に導いた皆実(福山雅治)が、捜査一課に正式配属となった。これで事件に心置きなく関われると喜ぶ皆実を尻目に佐久良(吉田羊)は、今まで以上に捜査に邁進する。
そんな折、お騒がせ俳優の本条海斗が殺害される事件が起こる。第一発見者は大物俳優の羽鳥潤(石黒賢)。実は、皆実は羽鳥が出演する刑事ドラマの大ファン。早速、心太朗と共に彼の仕事場へ。そこで室内をくまなくチェックする皆実の様子に気づいた心太朗だが、皆実は何を見つけたか心太朗に教えない。
バディは、言わずとも伝わるものだとして、皆実は心太朗の捜査能力を試していた。そんな皆実の態度に発奮した心太朗は捜査に本腰を乗り出す。
一方、捜査一課の泉(永瀬廉)は、佐久良とともに捜査していく中で、羽鳥とドラマで共演中の女優・篠塚真菜(山下リオ)と本条にある関係があったことを突き止める。そして事件は予想外の展開を迎えていく。
はたして、犯人は誰なのか。そして、その目的とは!?
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第3話のレビュー
元人気俳優が殺害され、公園で遺体となって発見されたのが、今回のヤマ。第一発見者である俳優・羽鳥潤(石黒賢)に話を聞くため、皆実(福山雅治)と護道(大泉洋)のバディが動く。皆実は、羽鳥が出演しているドラマの大ファン。共演している篠塚真菜(山下リオ)とのバディに注目し、はしゃいでいる様子は、どこから見ても純粋なファンにしか見えない。今回も、皆実の人並外れた洞察力が炸裂していた。殺害現場とみられる公園に落ちていた鍵の形状、羽鳥の仕事場で見つけた巨大空調機の温度設定、玄関の床の様子など、伏線は各所に散りばめられていたが……犯人特定の決め手となったのは、歯磨き粉のチューブ、そして被害者の返り血がついた台本の存在だった。
皆実いわく、チューブの潰し方には個性が出るという。お尻から潰して使う場合もあれば、真ん中から潰して使う場合も。羽鳥はお行儀良くお尻から潰して使うタイプだったが、朝の支度をする彼が歯磨きをしようとした瞬間、真ん中から潰れていたチューブを綺麗に直していた。
全盲でありながら、どんなに些細なことも見逃さない皆実。羽鳥ではない誰か、チューブを真ん中から潰して使うタイプの人間が、ここに出入りしていたに違いない……。
そう検討をつけ、羽鳥と共演している真菜、ドラマプロデューサーの風間みどり(福田麻貴)、そして羽鳥の妻である羽鳥千晴(映美くらら)に、それぞれハンドクリームを渡してチューブの潰し方を確認。真ん中から潰して使っていたのが真菜だったことから、彼女が羽鳥と不倫関係にあったことが暴かれる。
この流れだと、羽鳥本人、もしくは不倫関係にあった真菜のどちらかが、殺人事件の犯人とミスリードしてしまいそうになる。実際のところ、羽鳥はだいぶ早い段階で「自分がやった」と自供しはじめた。しかし、そう簡単におさまるドラマではない。
続けて皆実は、全員が一部ずつ持っているはずのドラマの台本をチェックし始める。
真犯人は、公園で殺害に及んだのではない。本来の殺害現場は、羽鳥の仕事場の玄関だった。死亡推定時刻をごまかすため、仕事場にある巨大空調機を70度の設定にし、死後硬直がはじまる時間を調整。その後、遺体を公園に移動させ、羽鳥自身に罪を着せるために仕事場のスペアキーを一緒に捨てたのである。
その際に、真犯人が持っていた台本に、被害者の血が付着してしまった。真犯人は、羽鳥に対し「自供しなければ不倫の事実をバラす」と脅す。殺人の罪か、それとも、不倫か……。羽鳥は、どちらの罪がより社会的に抹殺されるかを天秤にかけ、殺人の濡れ衣を着ることを選んだ。
皆実がつっこんだ捜査をしなければ、このまま羽鳥が犯人として捕まっていただろう。しかし、被害者の返り血がついた台本を持っていたのがドラマプロデューサーの風間だと判明し、事態は急展開。てっきり不倫相手である真菜が真犯人だと思っていたが……なんと、羽鳥は風間とも不倫をしていたのだ。
自ら殺人の濡れ衣を着ようとしたところへ、女性ふたりと不倫していた事実が発覚してしまったため、羽鳥は社会的に殺されてしまったと言ってもいいだろう。奥さんと子どもがありながら、同時にふたりの女性と関係を持っていた羽鳥。まだ殺人の罪のほうが復帰しやすい、と判断させてしまう社会の在り方にも、疑問を抱いてしまう結末だった。
今回も華麗に事件を解決してみせた皆実&護道ペア。次回は吾妻(今田美桜)の過去が明かされることになりそうだ。てっきり前回の終わり方からして、護道の過去や父親の存在がフィーチャーされると思っていたため、意外な展開である。
※この記事は「ラストマンー全盲の捜査官ー」の各話を1つにまとめたものです。
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