「モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜」全10話のあらすじ&感想 |いちばん成長したのはお母さんかもしれない
第3話あらすじ&感想
第3話あらすじ
清水萌子美(小芝風花)は念願が叶い、兄・俊祐(工藤阿須加)が経営する花屋で働き始める。しかし、なれない作業が多くて失敗ばかり。1人で店の留守番を頼まれた際も、イヤホンを拾った青年(加藤清史郎)を見かけてつい追いかけ、予約の花を受け取りに来た客の対応が出来ず、迷惑をかけてしまう。
俊祐はバイトの依田涼音(水沢エレナ)から、従業員を増やすなら時給を上げてほしいと不満を言われる。それでも、萌子美が自分から初めてやりたいと言い出したことだけに、兄としてその思いを大切にしたかった。一方、母・千華子(富田靖子)は人とコミュニケーションを取るのが苦手な萌子美に客商売が務まるとは思えず、工場のアルバイトに戻ることを内心望んでいた。
そんな千華子と夫・伸寛(田辺誠一)の間には微妙な空気が漂ったままだった。千華子は伸寛が相談もなしに経営する税理士事務所を閉め、自宅でのリモートワークに切り替えたことを納得していなかったのだ。伸寛が家にいるようになったのを境に、千華子は夫の昼食を作らないようになる。千華子の父で最近娘一家と同居を始めた須田観(橋爪功)は、千華子のふるまいにあきれてしまう。
萌子美は涼音からフラワーアレンジメントのやり方を教わる。常識にとらわれることなく、花が望んだところに配置する萌子美だが、涼音はアレンジメントのルールに従い、手直し。伝えたい思いはあるものの、それを言葉にできない萌子美だった。その矢先、萌子美は配達で手がいっぱいの俊祐や涼音の代わりに、1人で店の戸締りをすることに。閉店の準備をしていると、新規の客が至急フラワーアレンジメントをしてほしいと頼んでくる。店にはほとんど花が残っておらず、萌子美はどうすべきか悩むが…。
第3話感想
晴れて花屋でアルバイトできることになったモコミ。花の声を聞くことのできるモコミにとって、これほどの天職はないんじゃないだろうか?小さな頃から抑圧されることの多かったであろう彼女が、少しずつ自分の気持ちや感情を言葉にし、自分らしく生きていこうと努力する様は見ていて胸にくるものがある。モコミの母は、なかなかそんな娘の様子を受け入れられないようだ。花屋の仕事自体は応援したいようだが、何かトラブルがあったときのため、元の工場に戻れる手筈を整えているという。見かねたおじいちゃんが「趣味でもなんでも始めれば、いちいち口を出さなくなるんじゃないか?」と諭すシーンがあるのだが、この世のすべての”子離れできない親”に聞いてほしい台詞ではないだろうか。
フードデリバリーの佑矢が落としてしまったイヤホンをたまたま拾っていたモコミ。今度会ったときに渡そうと小袋に入れて準備している様や、彼を見かけるたびに渡そうとしては失敗し落ち込む様を見て、なんとなく体の軸が定まらないような心地にさせられる。このドラマのテーマとは外れるかもしれないが、恋心の芽生えや今後の展開についても期待せざるを得ない。
モコミがはじめてお客様用に作ったフラワーアレンジメントは、それはそれは華やかで、店頭を明るく飾っていた。自分の気持ちや本音を、はっきり言葉にするのが苦手なモコミ。そんな彼女が、花と対話しながら作り上げるアレンジメントには艶があらわれる。彼女の笑顔が見たいがために、次の放送を楽しみに待つ自分がいる。
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