「モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜」全10話のあらすじ&感想 |いちばん成長したのはお母さんかもしれない
第8話あらすじ&感想
第8話あらすじ
清水萌子美(小芝風花)は兄・俊祐(工藤阿須加)のハサミで、兄のようなフラワーアレンジメントを作って以来、花やモノたち、さらにぬいぐるみのトミーとも話せなくなってしまう。たまらず岸田佑矢(加藤清史郎)に相談すると、萌子美の苦しい心情を理解し、モノと話せない分、自分といっぱい話そうと励ましてくれる。
一方、萌子美の両親・伸寛(田辺誠一)と千華子(富田靖子)に、新たな問題が起こる。伸寛が突然、「田舎暮らしを始めたい」と言い出したのだ。千華子が昼食用に弁当を作ってくれたことで、今が打ち明けるチャンスと話した伸寛だったが、千華子は「調子に乗らないで」と一喝。伸寛は夫婦のやりとりを見ていた千華子の父・須田観(橋爪功)から、励ましにも皮肉にも取れる言葉をかけられる。
その日の夜、千華子は萌子美に、佑矢を夕食に招いていいか聞かれる。やがて佑矢がやって来ると、萌子美から自分たちの部屋で夕食を食べると言われ、千華子や伸寛を驚かせる。年頃の娘の部屋に異性と二人きりにしていいのか…。千華子たちが悩んでいると、俊祐が仕事から帰宅。萌子美が不思議な力で店のピンチを救ったことを伝え、調子に乗っているのだと腹立たしげに話す。
佑矢が帰ったあと、俊祐は萌子美をとがめるが、萌子美は家族に花やモノたちと話せなくなったと告白。千華子はそれが”普通”なのだと娘を慰めるが、俊祐は自分の行動が妹を追い詰めたのではないかと内心、ショックを受ける。
その後、萌子美はこれまでと変わらない様子で仕事に打ち込むが…。
第8話感想
これまで全編とおして気づきを与えてくれる影のキーパーソン、橋爪功演じる須田観。今回はとくに光っていた。これまで聞こえていた花やモノの声が聞こえなくなり、途方に暮れ始めるモコミに対して、繰り返し「普通ってなんだ?」と問いかける。「モノの声が聞こえなくなっちゃった、花の声も聞こえない、トミーとも話せない」と打ち明けるモコミに対し、慰めようとして「それが普通なんだから、大丈夫」と声をかける母……。しかし、モコミにとっての普通は”モノの声が聞こえる世界”だったのだ。大多数の人たちにとってはそれが聞こえない世界が”普通”なのかもしれない。それでも、人の数だけ”普通”は在るのだと教えてくれる。須田観の言葉によって。
普通って、なんだろう。おそらく誰もが一度は考えたことのある事柄に違いない。大多数の人が思いつくこと、マジョリティ側が考えることが”普通”で”善”なのか?私たちはいつの間にか、数が多いほうを正義とし、善とし、その逆側を悪として考える思考が見についてしまっている。
モコミを見ながら考えた。もう一度、”普通”の定義について原点に立って考えたほうがいいのかもしれない。インターネットやSNSが普及し、マイノリティ側の声も丁寧に掬われ広められる時代になった今。”普通”なんて言葉を軽々しく使ってもいいものかどうか、あらためて考える起点に私たちは立っているのだ。
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