国内ドラマ

REGULAR

2022年07月30日

<テッパチ!>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<テッパチ!>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー



>>>「テッパチ!」の画像をすべて見る

国生宙(町田啓太)と馬場良成(佐野勇斗)は、班長の大木隆之(久保田悠来)らと訪れた居酒屋で『南関東駐屯地祭り』の話を聞く。これは、自衛隊が地域住民と触れ合うためのイベントで、公開演習や打ち上げ花火、盆踊りなどが行われ、出店もあるという。風間速人(工藤阿須加)や金子慎也(桐山漣)によれば、若い女性と親しくなるチャンスもあるらしい。それを聞いた宙たちが盛り上がっていると、野村晴樹(結木滉星)が駆け込んできて、今年の駐屯地祭りが中止になったことを皆に告げる。



本来ならばお祭りだったはずの休日に宙と馬場は、せめて祭りの雰囲気だけでも味わおうと、たこ焼き器でたこ焼きを作る。そこには、馬場になついている自候生時代の仲間・西健太(藤岡真威人)も参加していた。

そんな折、金子の元妻・理恵(三倉茉奈)が、7歳になる娘の花音(宮地美然)を連れて駐屯地へやってくる。近くまで来たから寄ってみたのだという。娘との再会を喜ぶ金子。離婚したとはいえ、仲睦まじいその様子に、宙たちは「復縁もあるのでは?」と期待する。

一方、副連隊長の神宮寺一成(緋田康人)は、35歳でいまだ士長の金子について、次の昇任試験の結果次第では指導が必要ではないか、と桜間冬美1尉(白石麻衣)に伝える。それはつまり、リストラを意味していて、金子は冬美からラストチャンスの通告を受ける。自衛隊の厳しい実態を知った宙と馬場は……。

第8話のレビュー

「同期」「仲間」「ライバル」は、仕事に打ち込んだり目標達成に向かって頑張ったりするうえで、力にも薬にもなる。しかし、時には目の前にそびえ立つ壁のように感じることもある。

宙(町田啓太)と馬場(佐野勇斗)の関係は、良き仲間でありライバルでありながらも、ひとつボタンを掛け違えると破綻してしまいそうな境地にある。

前回の”失敗”を胸にがむしゃらに訓練する宙は、その姿勢を買われ、早々に昇進試験を受けることになった。桜間(白石麻衣)によると、あくまでも模擬試験とのことだが、「受けるレベルに達していない」と評された馬場との差は大きい。

同期であり仲間でもある宙と馬場。なのに、差は広がっていくばかりのように見える。八女(北村一輝)をはじめ、彼のメンタルを心配し声を掛ける者は大勢いるが、心が折れてしまわないか心配になる場面も多い。

しかし、宙だって順風満帆とはいかない。先輩である金子(桐山漣)とともに受けた昇進試験だが、合格レベルに達していたものの、決定的な”欠点”も浮き彫りになった。

まさに瞬間湯沸かし器のように、何かあると「すぐに熱くなり、周りが見えなくなる」。前回の出動中、自己判断で行動し問題を起こした件に加え、今回の試験勉強中も咄嗟のことで金子と揉み合いになってしまった。自衛官として、冷静に物事を見据え決断する資質に欠けている、と桜間は断じたのだ。

宙にとっては聞き流せない話だろうが、ドラマの演出としては良い方向に働いていると感じた。このまま順調に宙がレベルアップしていき、桜間との仲も深まっていく……といった流れは、ぬるすぎる。これくらいの”壁”があってもいいだろう。

壁といえば、年齢的にも今回がラストチャンスの昇進試験となった、バツイチでギャンブル好きの金子。今回は彼のフィーチャー回であり、別れた妻子も登場して、過去と現実そして未来を見直す展開となった。

ギャンブルの誘惑に耐えながら、そして中卒であるハンデとプライドを抱えながらも、懸命に努力し見事合格した金子。元妻からは「再婚するの」と告げられる切ない終わりになってしまったが、一連の出来事は彼にとっての新たな自信になったに違いない。

金子を演じる役者・桐山漣は、活動歴こそ長いものの、『仮面ライダーW』で注目を集めるまではアルバイトを掛け持ちしつつ養成所に通う下積み生活を送っていたという。今回の金子フィーチャー回は、そんな彼自身のこれまでの過程を、自然と思い起こしてしまうような脚本だった。

壁を乗り越えれば、また新たな壁が現れる。次は、誰にとっての大きな壁が現れるのだろうか。


※この記事は「テッパチ!」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る


無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

(C)フジテレビ

RANKING

SPONSORD

PICK UP!