<舞いあがれ!・大学生編>4週目~7週目の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第28回のレビュー
ハラハラドキドキして、泣ける回でした。
こんなにも画面に見入ってしまうことはなかなかないです。
みんなの想いを乗せて舞いあがった舞(福原遥)。
必死で足を動かして飛び続けます。やっぱりスワン号のスワンは白鳥は優雅に見えて水面下では足をすごく動かしていることと通じているように思います。
機体の内部に文字が書いてあるのがリアルでいい。
最初は気分よかったのが機体が熱くなって舞が疲労してきます。
そこへ風が入ってきて……。
日下部(森田大鼓)、藤谷(山形匠)……同期の仲間たちが風が入るように穴を空けてくれたからです(余談ですが、日下部役の森田さん、お名前が「つづみ」。珍しいお名前です)。
持ち直す舞。
みんなの想いを思い浮かべ、涙目になって漕ぎ続けます。
涙と汗が混ざってーー
「飛んで…飛んで…飛んで」
「みんなの夢背負ってんねん こんなところで終わられへんのに」
…と踏ん張ったけれど……。
目標に届かず落ちてしまいました。
飛べて爽快! で終わらず、残念な結果になる週の半ばの水曜日ではありましたが、それでは終わりません。みんな、笑顔です。
「岩倉は10分飛んだ 3.5キロも飛んだんや」と讃える由良(吉谷彩子)
刈谷(高杉真宙)はこう言います。
このフライトのためにすべてを賭けられたことを誇りに思う
舞はみんなに「一緒に空飛んでもろてほんとうにありがとうございました」と言います。“一緒に”と舞は言うのです。
また、この回の琵琶湖シーンの前後に、舞を思いやるめぐみ(永作博美)と浩太(高橋克典)のシーンを挟んでいるところも良かったです。舞は両親にも「ありがとう」とメールしています。
舞は暮れなずむ琵琶湖を見て、充実感を覚え、もっと先へ進もうと考えます。
子供のときに祥子(高畑淳子)から教わった失敗してもいいという精神をここで実感したことでしょう。
爽快、不穏、風の音、回想、涙……王道過ぎる構成ですが、実際、俳優たちが体を動かして汗かいてるので、その鼓動が画面を通して感じられて臨場感あります。コクピットが別撮りでしょうけれど、福原さんが足を動かしている、そこは本物です。お芝居のなかに本物の部分があることが感動を呼ぶのです。「舞いあがれ!」にはこの大事な基本があるから信じられます。
【朝ドラ辞典 水に落ちる(みずにおちる)】「朝ドラあるある」にヒロインが水に落ちるというものがある。ヒロインの規格外のパワーを表現するためか、物語の初期に、川や海に落ちるのだ。例:「あまちゃん」の海、「ごちそうさん」の川など。「舞いあがれ!」では舞が琵琶湖に落ちた。一回落ちて、ずぶ濡れになりながら、這い上がっていく暗喩でもあるだろう。水に落ちたらヒットするジンクスも?
※この記事は「舞いあがれ!」の各話を1つにまとめたものです。
→元記事はこちら
→目次へ戻る
「舞いあがれ!」をU-NEXTで視聴する
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)NHK