<舞いあがれ!・大学生編>4週目~7週目の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第17回のレビュー
舞(福原遥)は大学の人力飛行サークルなにわバードマンに入り、翼を支える骨リブの型紙を作るお手伝いをはじめます。最初はうまくいきませんが、要領を教えてもらったらできるようになりました。楽しくなってきたところへ、コンテスト出場の書類審査で不合格になった通知が届きます。盛り上がっていた気持ちが急降下……。
何が悪かったのか。女性パイロット・由良冬子(吉谷彩子)が「色物枠」と思われたのではないかなんて意見も出ます。ひどい、色物枠だなんて。
でもバードマンとしては、由良は男とか女とか関係なく、パイロットにふさわしい能力を持った者であり、彼女の体格に合わせて飛行機が設計されていました。
男であろうと女であろうと、それぞれ個性は別々です。身長も体重も身体能力もみんな違います。バードマンのメンバーも由良以外全員男性ですが、みんな違った雰囲気です。とはいえ、顔と名前は筆者はまだ覚えきれていませんが……。
目立っているのは、部長の鶴田葵(足立英)と設計者の刈谷博文(高杉真宙)。
鶴田はやわらかい雰囲気でみんなを包み込む感じ、刈谷はクールな頭脳派という感じで対照的ですが、飛行機のことになると熱くなります。
コンテストに出ることができない代わりに、自主的に女性パイロット記録に挑もうとしたときの口ぶりがとても熱っぽかったです。
1987年アメリカでライトイーグルが記録した15.44キロメートル、女性パイロットの世界記録
刈谷のセリフ、ただ、データを語ってるだけなんですが、すごい記録とはそこに至るまでの苦労を想像して、重みを感じます。そして、明るい希望も。
この記録を超えることができるか。青春の思い出に記録飛行に挑もうとするバードマンたち。一回降下した機体がまた上向いてきましたよー。
さて、第17回で感じたのは、回り道してもいいということです。
貴司(赤楚衛二)は、文学の道を諦めてはいませんでした。SEをやりながら好きなことをやりたいと考えているようです。久留美(山下美月)はバイトしながら看護学校に通っています。
誰もが好きなことに邁進できるわけではありません。目的のために別のことをしているうちに目的がずれてしまうことも多々あるものですが、目下、貴司も久留美も、別のことをやっているとより目的に対する思いが募って頑張れるようです。
幼馴染のなかでは舞が一番恵まれていて、飛行機を作るための学校に通えて、サークルでも飛行機を作ることを経験できています。舞も、バイトして部費を稼ごうと考えるようになりました。
由良はコンテストの準備に1年かけてトレーニングを重ねてきて、これからは記録飛行のためにまだまだトレーニングを続けています。夢に向かってコツコツ、ちょっとずつ、回り道でもいいから近づいていくのです。
【朝ドラ辞典 男と女(おとことおんな)】
朝ドラでは女性主人公が多いため、男性社会のなかで、女性も社会進出していこうと考えて張り切る物語が多く書かれる。例えば「カーネーション」は祭りのだんじりを女性が引けないことを悔しく思ったヒロインはミシンをだんじりに見立てて洋裁の仕事に励むようになる。「あさが来た」では夫がふらふらと遊んでいて、ヒロインのほうが事業に興味を持っているという逆転が描かれた。女性は結婚して夫を支え子供を生み育てることが当たり前と考えられていたなか、そうではない価値観を模索してきたのだ。「舞いあがれ!」では一步進んで、「女とか男とか関係ない」(刈谷)というセリフが登場した。
※この記事は「舞いあがれ!」の各話を1つにまとめたものです。
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