<舞いあがれ!・大学生編>4週目~7週目の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第29回のレビュー
もっと高く、もっと長く、空飛びたい
試験飛行が終わり、気持ちはすでに来年度。舞(福原遥)はもう一回パイロットをやろうと励みます。由良(吉谷彩子)は「来年は私が飛ぶわ」とからりと言い、舞も「私も負けません」と明るい対抗心を振りまきます。これはなかなか難しい関係に思えますが、このふたりにはネガティブ要素が1ミリもありません。
結果、来年度は由良に決まります。これで舞にまた決まったらいよいよ関係性が悪化しそうですが、そういう展開にはなりません。
舞は人力飛行機に乗ることはさっぱり諦めて、本格的パイロットになろうと考えるようになりました。
パイロットの本を読んでるところに由良が来て、彼女は航空学校を身長制限で諦めざるを得なかったと語ります。舞の身長なら大丈夫で、舞はがぜん、やる気になります。
このドラマでは一切遺恨が描かれませんが、由良の気持ちを思うと、切ないです。
身長の低い吉谷さんをキャスティングしたのは、実力はもちろんのこと、体格の壁を描く理由もあったのかと思うと、切ない。
パイロットには身長制限があるのかーと思って、ネットで検索してみました。コクピットで操作を過不足なく行える体格が必要ということで、航空会社でも航空学校でも身長制限を設けている場合もあるようでした。由良、残念。でも、本気で飛行機に乗りたいなら、他にも可能性があるかもしれないですよ。
舞はめぐみ(永作博美)に航空学校に行きたいと相談しようとしますが、お金に関する作業をしているめぐみを見て、言い出せなくなります。
目標が変わったことに後ろめたさを感じる舞。彼女の性格からすると、これまで無理して学校に行かせてもらったと思ったら言い出せないでしょう。
でも密かに勉強をはじめる舞。
休憩に部屋から空を眺めていると、向かいの貴司(赤楚衛二)も窓から顔を出し、こう言います。
星、全然見えへんな
貴司のこのセリフはあとから効いてきます。
クリスマス、幼馴染の三人で会って、舞は、夢を語ります。
舞ちゃん、ほんまの自分を見つけたんやな 羨ましいわ
と言う貴司は会社でやりたくない仕事をやっているようです。
久留美(山下美月)の父・佳晴(松尾諭)は警備員をやっていますが、過去「ドーベルマン望月」と呼ばれていた実力を発揮する場所が見つからず、経済的にはあまり恵まれていないようです。
由良は舞に比べて夢に全然届かなくなっています。
舞にはいま希望の星が見えているけれど、星が見えてない人たちがたくさんいます。
彼ら、彼女らをどう描くか、それが作家の見せどころでしょう。
【朝ドラ辞典 冬子(ふゆこ)】冬子という名前のヒロインが過去にいた。「てるてる家族」で石原さとみが演じていた。冬子の姉妹は、春子、夏子、秋子と四季の名前で統一されていた。父親が春男。朝ドラの登場人物は四季の名前がつくことがよくあって、「あまちゃん」ではヒロインはアキ。母が春子、祖母が夏。「おちょやん」ではヒロイン千代の姪が春子。「花子とアン」では嘉納伝助の娘が冬子。
※この記事は「舞いあがれ!」の各話を1つにまとめたものです。
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