<舞いあがれ!・ 航空学校編>8週目~11週目の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第49回のレビュー
「行きます!」と言えばガンダムを思い出します。舞(福原遥)がついにソロフライトに挑戦します。着陸時にセンターラインに乗せることができない舞が空ではふつうにフラフラすることなく飛べるものなのでしょうか。
制作統括・熊野律時CPにYAHOO!ニュース個人で取材したところ、航空大学校の取材を徹底して行っていて、舞の描写はリアルだそうです。
ひとりで乗った瞬間、「やっぱこわいな」と感じること、訓練初期は飛ぶ喜びどころではなく元気がないことなどは実際の訓練生のかたの経験に基づいているとか。
筆者は運動神経が鈍く車の運転もできないし、運転系のゲームも苦手なので、飛行機を飛ばす感覚がまったくわかりません。最初は教官と並んで飛ばして訓練していたとはいえ、こんなふうに短期間で飛べるなんてびっくりします。離陸した瞬間、どっからガッシャンとなるような気がしてドキドキしながらドラマを見ています。こういうときこそ、飛ぶ(成功)イメージをすることが大事かもしれないですね。
日常、電車や車の運転に身を任せながら、運転手が乱暴で下手だなと感じることがありますが、飛行機で下手だなと思ったことはあまりないです。天気が悪くて揺れまくっているとき、うまく交わしているように感じるときと、不安過ぎると感じることがありますが、天候の荒れ具合がわからないのでパイロットの腕かどうか判断できません。少なくとも離着陸で不安を感じたことはないように記憶していて、やっぱりパイロットの操縦技術は相当の訓練がなされているのではないでしょうか。
精神力も技術力も高度な仕事を目指す舞。第一回ソロフライトは満足の行くものではないながら終了し、ウイングマーク(バッヂ)を獲得します。舞は、大河内教官(吉川晃司)に特訓してもらいます。
「私教官に負けたくないんです」というせりふは、第48回で、柏木(目黒蓮)が「俺は大河内教官から絶対に逃げない」「見返してやる」と言ったことに影響されているのでしょう。ちょっとニュアンスを誤解して受け取っているような気がしますが、それで奮起して頑張って、欠点を乗り越えたのだから結果オーライです。
努力してもパイロットになれるわけではないという大河内教官に対して、努力は報われることを示したいと奮闘した舞。水島(佐野弘樹)の努力が足りなかったということを証明したような気もしますが……。
舞が言いたかったことは、大河内のフェイルの判断が早過ぎるから、もうちょっとじっくりゆっくり待ってほしかったということなのでしょう(たぶん)。でも大河内教官は、舞に特訓しているとき「フライト中に考えているひまはない」と言います。つまり、ゆっくりじっくりできる職種ではないということです。人の命がかかっていることなので一回失敗したからまた次はがんばるという猶予はない。瞬時の判断、実行力が必要ということなのでしょう。
長い経験上、厳しい教官と、経験のない舞の相違です。舞は、人の気持ちを慮れる性格だったはずですが、なぜか教官の気持ちに気づこうとしません。
【朝ドラ辞典 努力(どりょく)】朝ドラでは努力の過程が省かれると不満に感じる視聴者層が一定数存在しているため、適度に努力を描写する必要がある。類語:壁
※この記事は「舞いあがれ!」の各話を1つにまとめたものです。
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