<舞いあがれ!・ 航空学校編>8週目~11週目の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第51回のレビュー
第11週「笑顔のフライト」(脚本:佃良太 演出:松木健祐)訓練を頑張りすぎて熱を出した舞(福原遥)。大河内(吉川晃司)の厳しさが要因と思い込んだ柏木(目黒蓮)は担当教官を変えてもらおうと提案します。でも舞は大河内と話した(アイスも差し入れてもらった)ことで教官に対する印象が変わってきていました。もう少し頑張ってみたいと柏木に言いますが……。
熱が出て勉強が遅れている舞に、倫子(山崎紘菜)たちは親切。とりわけ吉田(醍醐虎汰朗)は親切で、舞に気がありそうな素振りですが、舞は気づきません。倫子がやや悟っているふうです。
残念ながら舞には柏木がすでに告白しています。舞はまだ返事はしていませんがまんざらではない感じです。この流れ、冷静に見ると、吉田と舞もいい感じになっていたところを柏木が偶然見て、そこから俄然、柏木がことを急くようになっていました。吉田が早く動いていたら舞は吉田にも心が動いたかもしれない。それだけ舞は受け身に見えます。恋愛慣れまったくしていないし。
柏木はこういう点からしてもエリートなんだと感じます。これと思ったら躊躇なくとりにいく。そうやって勝ち抜いてきたのでしょう。お坊ちゃんだからといってのんびりしているとは限りません。成功者の血筋は鋭い勘で自分にとって良いものを素早く発見し獲得していくものなのでしょう。吉田学生が不憫です。
「エリート男性、何日も待たせて、あんたええ女やな」と舞をからかう久留美(山下美月)。彼女もまたエリート医者から差し入れをマメにもらって、気持ちが動いています。久留美が「あんたええ女やな」と言うのは柏木に関することだけですが、どうやら舞はモテているので、期せずして、その罪な感じを指摘しているとも言えるでしょう。
セカンドソロで天候が悪化しそうなため、緊急着陸しないとならなくなった舞のピンチを助けに飛んできた大河内教官も頼りになるし、むしろ、この瞬間、大河内教官に惚れてしまいそうなシチュエーションです。
燃料は保ちそうだけれど、もし釧路空港も天候が悪くて着陸できなかったらーーと不安定な空の上でたったひとり途方に暮れているとき、横に飛行機が並んだ瞬間の舞の表情。ここは感動シーンでした。
柏木、いやに教官替えようとするのも、舞から大河内を引き離そうとしているのでは?という気さえしてきます。吉田学生のことを思うとそういうふうにも見えかねなくて、おそらく作り手は意図していないでしょうけれどちょっとおもしろいです。それだけ柏木が舞に夢中に見えるんですよね。舞のことばっかり考えて心配していて、自分の訓練は大丈夫なの?と気になります。ついこの間まで迷子になっていたのに。
【朝ドラ辞典 ピンチ(ぴんち)】ピンチはチャンス。ピンチはドラマを盛り上げる。朝ドラではピンチになってもすぐに解決することが少なくない。たいてい翌日解決。
※この記事は「舞いあがれ!」の各話を1つにまとめたものです。
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