<舞いあがれ!・結婚編>18週目~21週目の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第100回のレビュー
100回まで来た「舞いあがれ!」で思うのはコネの大切さです。家柄、地元、大学などの関係性が人生を左右すること、よくありますよね。実家の町工場を継いだ舞(福原遥)は新聞記者・御園(山口紗弥加)のアイデアからオープンファクトリーを行うことにします。そこで協力してもらったのは、町工場仲間の紹介で出会った東大阪の役所の人、なんと、なにわバードマンの伝説のOB・安川(駿河太郎)でした。
さらにその安川が、なにわバードマンのOB仲間・渥美士郎(松尾鯉太郎)に声をかけます。舞と渥美は同じ時期に活動をしていて、再会になります。なにわ大学の准教授になっている渥美が生徒を連れてきて、企画はどんどん広がっていきます。
ひとりでは小さなことしかできなくても人が集まると規模が大きくなっていきます。その場合、役所、大学、大手新聞社、というひじょうに有力なところを抑えることが大事です。ふわっと描いていますがけっこう生々しいです。
こうして、オープンファクトリーに補助金がもらえることになって、やる気のなかった町工場の人たちもやる気になっていきます。
舞、安川、渥美が集まったからか、オープンファクトリーでは飛行機を作ることになります。飛行機のデザインで盛り上がる舞、安川、渥美。
大きな物事を成し遂げるにはコネが大事なのです。
それを貴司(赤楚衛二)が「スクラム」という言葉で表現します。
「スクラム」といえば、ラグビー。佳晴(松尾諭)を思い出します。もともと東大坂にはラグビー場があってラグビーが盛んですから、この言葉のチョイスは親しみが湧きやすいでしょう。
人間関係を築くのが得意な舞に比べて、貴司はコネなどない、人間関係を紡ぐのが苦手ですが、子供を集めて短歌教室を開くことにします。
最初はしぶい顔をしていたリュー北條(川島潤哉)も、イケメン歌人が子供を集めて教室を行うことは絵になって商売に結びつくと肯定的になります。
貴司もいままでひとりでしたが、舞が傍にいるので、彼女の助言を聞いて夢が広がっていきます。もっともこのふたりは、結婚前からデラシネで語り合っていたので、やってることはあまり変わっていません。
例の公園で短歌教室が行われます。大盛況。
ちょっとくらいはみだしてもええねん
(貴司)
社会にまとまっていく人たちとちょっとはみだす人。どちらでもいいのです。
貴司がうらやましいのは、結婚して、家に妻と義母、隣に父母がつねにいてうっとおしいときもあるとは思いますが、デラシネという逃げ場があり、そこにいけばひとりになれます。
結婚によって経済的に負荷がかかることもなく(新居もいらない、妻は自立している)、好きなことを好きなようにやれる。人間関係はうまくいかず、サラリーマンにも向いてなかったけれど、楽に生きられる道を順調に歩んでいます。ええなあ。
【朝ドラ辞典 コネ(こね)】人間関係がものをいうことがよくある反対語:ネコ
※この記事は「舞いあがれ!」の各話を1つにまとめたものです。
→元記事はこちら
→目次へ戻る
「舞いあがれ!」をU-NEXTで視聴する
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。