<ブギウギ・大阪編>1週~5週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第13回のレビュー
大和礼子(蒼井優)は初演出の秘策(?)にラインダンスを取り入れることにしました。上品そうな大和さんがラインダンスをはじめたというのが意外性ありますが、みんながひとつになるし、楽しいと思ってのこと。一矢乱れず、みんなで足を上げるために厳しいレッスンが続きます。
慣れない動きに、みんなへとへと……。そこへ、1週間休んでいた桜庭和希(片山友希)が辞めると言い出して……。
3ヶ月、1年、3年、5、6年……と続けていく間には都度都度、転機が来るもの。和希もここまで6年やってきたものの、強力な後輩が現れて、限界が見えてきたのでしょう。お母さんの病気は6年経ってもよくなっていないようです。
好きなことを辞めるには勇気がいると、梅吉(柳葉敏郎)が理解を示します。
梅吉が続けていられるのは、ツヤ(水川あさみ)のおかげです。こういう人に出会ったから梅吉は幸運です。
梅吉のエピソードは、脚本の足立紳さんの映画「喜劇愛妻物語」と重なります。そこでも水川あさみさんが愛妻を演じています。主人公(濱田岳)が映画の脚本家で、なかなか仕事が得られず……という設定です。水川さんの愛妻(鬼嫁)ぶりが強烈です。映画では夫婦が四国へシナリオハンティング旅行に行くのですが、「ブギウギ」は梅吉とツヤが四国・香川から大阪に出てきました。いろいろ重なっていて面白いです。
足立さんとしては、梅吉とツヤの話のほうが書きやすいのだろうなあという気がします。好きでやっているけど結果が出ず、でも諦めきれず、ずっとすがり続けている。そのいじましさが、若い娘さんたちよりも断然出ています。
なんもしてない梅吉が、な〜んもしてないけど、憎めない人物になっています。お酒ばかり飲んで、ほんとうになんにもしてないけど、いいこともしてないし、悪いこともしてないのが救いです。彼が悪いことをしないで済むのはツヤのおかげでありましょう。
梅吉の映画の夢はいつか花開くのでしょうか。それとも、梅吉はこのままで、エンタメの夢は娘のスズ子(趣里)が継ぐということでしょうか。
梅つながりで、梅丸少女歌劇団の団員たちは、スズ子を筆頭に決して優秀とはいえない人たちも多いです。すぐ落ち込みすぐギスギスして……。それをなんとかひとつにしたい礼子も「誰も辞めさせたくないの」「みんなで楽しくやりたい」という単純なことしか言えません。でもその単純さは切実で。
「永遠に修業や」という橘アオイ(翼和希)がみんなを盛り上げます。
第3週に入って、スズ子が、威勢良い音頭みたいな歌を歌っています。「恋はやさしい野辺の花よ」を朗々と歌っていたスズ子がいつどこから、音頭を愛唱歌に変えたのか、それがのちのブギの道につながりそうな気がしますが、そのギアチェンジの瞬間を知りたい。
※この記事は「ブギウギ」の各話を1つにまとめたものです。
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