<ブギウギ・大阪編>1週~5週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第7回のレビュー
USKに入って1ヶ月、修業の厳しさに、ひとりまたひとりと辞めていきます。残った研究生は、鈴子(澤井梨丘)と桜庭辰美(木村湖音)と白川幸子(小南希良梨)の3人。
いろいろな作業を3人でやらないとなりません。毎日、大量の洗濯物があります。が、辰美はさっさと帰ってしまいます。稽古中でも居眠りしたりして、なにかと態度が悪いのは、どういうことなのかーー。
林部長(橋本じゅん)から桜庭の家庭の事情を聞いた鈴子。
家の仕事を手伝っているから稽古で疲れが出てしまうようです。経済的に恵まれていないうえ、母親が病気で、お昼のお弁当をちゃんと用意できないことを気遣った鈴子は、お弁当を一個余分に作ってもらい、渡しますが
「余計なこと」と辰美を怒らせてしまいました。
出た、おせっかいヒロイン。これでは、辰美のプライドを傷つけてしまいます。
「辰美ちゃん、でかいし」と言うのも余計でしょう。
タイ子(清水胡桃)は、おせっかいなところが鈴子の良さと励まし、余計なおせっかいがいつか役に立つだろう、と予言します。これは、何かのフラグでしょうか。
鈴子は、家の手伝いしながらがんばる桜庭や、家では劇団活動を反対されている幸子より恵まれているのだと感じます。鈴子の場合、家族は応援してくれるし、お金の心配もありません。
デビューしたら、月給20円がもらえます。
昭和2年の20円はどれくらい?
「明治大正昭和値段史年表」(朝日新聞社)によると、昭和元年〜3年の劇場観劇料の最高料金が8円とあります。資料提供は帝国劇場とあるので、帝国劇場の1等席でしょう。いまだと、上演中の「チャーリーとチョコレート工場」のS席1万6千円です。
鈴子たち3人は先輩たちの本番の手伝いをすることに。でも、どこかのんびりした幸子が足を引っ張ることに……。
大事な衣裳の羽を洗濯したまま置いてきてしまうという大失態をしてしまい、橘アオイ(翼和希)は羽のないままで踊ることに。
毅然と踊る橘ですが、羽がないとどうにも落ち着きません。とてもお気の毒な感じでした。
終演後、ミスは全員の責任(ひとつの舞台は全員で作るものという理念のもとに、全員が確認することになっているのでそれを怠っていた。ちょうど3人の仲がぎくしゃくしていたから協力体制がなってなかったのでしょう)と、橘に厳しく叱られて、幸子と辰美の関係は激しくギスギスします。
最近の朝ドラは、ギスギスした関係を避ける傾向にあったように感じますが、久々に、絵に描いたように、ぎゃあぎゃあといがみあう場面が登場しました。
ギスギスと、主人公のおせっかいと、最近好かれないシチュエーションの2本立てですが、大丈夫でしょうか。
思い詰めた辰美、いらっとするのんきさの幸子、甘やかされて育ったため色々わかっていない鈴子。3人共、困ったものです。
さて。
林部長が、飲むか、といつも愛飲しているマムシの生き血を鈴子たちに勧めますが、マムシの生き血と聞いて震え上がる鈴子。
赤ワインかと思ったらマムシの生き血……おそろしい。たぶん、マムシ酒のことなんじゃないかと思いますが、「生き馬の目を抜くような」厳しい芸能界と「生き血」が微妙にかかっているのでしょうか(考え過ぎ?)
ちなみに焼酎1.8リットルは、昭和元年で81銭。
※この記事は「ブギウギ」の各話を1つにまとめたものです。
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