<ブギウギ・大阪編>1週~5週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第10回のレビュー
百日咳かと思ったらただの風邪だった鈴子(澤井梨丘)は、わずか一週間で稽古に復帰。レッスンに励むと、3人のうちひとりではなく、3人共デビューできることに。(もしかして林〈橋本じゅん〉は最初から3人デビューさせようとは思っていて、でも緊張感を与えようと、ひとり選抜すると言ったのかも? あるいは3人が結束して頑張ったので気を変えたのか……)役は「水の雫」。鈴子たち3人は「切磋琢磨、一心不乱、一生懸命 努力」します。
このときの鈴子のモノローグが「一生懸命」が「イッショケンメイ」(一所懸命)に聞こえましたが、
字幕だと「一生懸命」でした。
一生懸命は、人生かけて、という印象。一所懸命は、ひとつのことをつきつめるというニュアンスです。歌舞伎の世界では「一所懸命」が使用されていたとか。舞台芸術を突き詰めるという意味だったのでありましょう。
鈴子の「イッショケンメイ」という発音からは演劇人の気迫を感じました。
デビューが決まり、芸名を考えることになりました。
ツヤ(水川あさみ)が「笑う門には福来たる」から「福来スズ子」と名付けます。
サブタイトル「笑う門には福来たる」は、第9回で回収されたかと思いきや、第10回にも繋がっていました。2度に渡って使用する、高度な脚本です。
桜庭辰美(木村湖音)は桜庭和希、白川幸子(小南希良梨)はリリー白川と、それぞれ芸名が決まります。桜庭和希は、作家の桜庭一樹さんを思い出してしまいましたが、橘アオイ役の翼和希さんからとったのでしょう。翼さんは、10月12日(木)の「あさイチ」に柳葉敏郎さんと共にゲスト出演。滝に打たれたり、動物を見て声をあげたり、素直なリアクションがとても魅力的でした。
そして、いよいよ梅丸少女歌劇団の初単独公演の幕が上がります。
華麗な歌と踊りが展開します。これが「胡蝶の舞」にも増して豪華で、1本の作品として見どころがありました。
鈴子、辰美、幸子が、フリンジいっぱいの衣裳で水の雫に扮して思いきり踊るところは、子役の最後の見せ場を、めいっぱい盛り上げました。客席からの拍手は、子役ちゃんたち、よくがんばったという拍手のようにも思えました。
子役パートが終わると寂しいのが、朝ドラあるある。
そして、公演中、6年が経過し、自然に、趣里に変わっていました。もともと、澤井さんが趣里さんに似ていたので、趣里さん?澤井さん? とこんがらがりましたが、客席の六郎(又野暁仁→黒崎煌代)が明らかに成長していたので、年月が流れたことがわかりました。
本番前、緊張する鈴子に、メイクをしてあげる大和礼子(蒼井優)。こういうふうに先輩や先生からメイクを施してもらうことはとても誇らしいことであります。
礼子は、お客様を「じゃがいも」だと思うことにしていると言います。「じゃがいも」は失礼と感じる人も、なかにはいそうという配慮なのか、じゃがいもが好きだから食べてやる〜という意味だと付け加えられていたことが、現代的な感覚であります。
メイクした澤井さんは、化粧映えがして、オリエンタルな魅力がありました。これをきっかけに活躍してほしいです。
さあ、第3週からはいよいよ趣里さんです!
お客さんが「生きる力をもらいにくる」(by大和礼子)劇場での日々がはじまります。
どうやら、ほぼほぼ、週に1回は、ショーの場面が登場するらしいです。名作「てるてる家族」再来の予感。
※この記事は「ブギウギ」の各話を1つにまとめたものです。
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(C)NHK