『ハウルの動く城』を深く読み解く「8つ」のポイント
6:カカシのカブ=王子である必然性があった?
カカシのカブがラストで“隣の国の王子”の姿になったことに驚いた方は多いでしょう。しかしながら、彼が(ダメ男のハウルよりも)“紳士的“な性格であったことはじゅうぶんに示されていました。
自分を見つけてくれたソフィーに城の入り口を指し示してくれたり、雨の中で泣きじゃくるソフィーに傘を持ってきてくれたり、最後には身を挺して崖下に滑り落ちそうになったソフィーたちを救ってくれるのですから。ソフィーが序盤に「小さい時からカブは嫌いなの」と言っていたことも、その“カブ頭”に全く躊躇せず、愛を込めてキスをすることへの伏線だったのでしょう。
また、“キスをしたら元の姿に戻る”というのはおとぎ話の定番です。ハウルは「君にもややこしい呪いがかかってるね」なんて言っていましたが、実のところシンプル極まりない呪いだったんですね。その後の彼らを見たサリマンが「ハッピーエンドってわけね」と言うのも、この“おとぎ話のような終わり方”への皮肉と呼べるものだったのかもしれません。
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