『ハウルの動く城』を深く読み解く「8つ」のポイント
4:“スプーンを選ぶ”ことでわかるソフィーの性格とは?
ソフィーは帽子屋を長女である自分が継ごうとしていたことからもわかるように、“自分よりも自分以外の誰か”を優先しようとしていた人物でした。その性格は、美味しそうなベーコンと目玉焼きを食べるシーンでもわかるようになっています。
マルクルが「汚れてないの、これしかないんだ」とソフィーの前に差し出したのは、“スプーン2本とフォーク1本”でした。この時に食べようとしているのはベーコンと目玉焼きで、明らかに食べやすいのはフォークなのですが、ソフィーは迷わずにスプーンを選んでいるのです。
しかも、フォークを選んだマルクルは、ベーコンと目玉焼きが乗ったお皿を口につけてがっつくように食べていて、フォークでもスプーンでも大して変わらない汚い食べ方をしていました。ソフィーがこの時に言った「教えることもたくさんありそうね」には、「私がせっかくスプーンを選んであげたのになあ
」という気持ちも込められていたのかもしれません。
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