<どうする家康・姉川・長篠・本能寺編>13話~28話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第27話ストーリー&レビュー
第27話のストーリー
京の本能寺で信長(岡田准一)を討つ計画を家臣たちに明かした家康(松本潤)。なみなみならぬ家康の決意に、家臣たちの意見は賛成と反対で真っ二つに割れるが、忠次(大森南朋)は、家康の決断を信じようと家臣団を諭す。やがて家康たちは信長に招かれ、安土城へ。だが酒宴の席で、家康は供された鯉が臭うと言いだした。信長は激高し、接待役の明智(酒向芳)を打ちのめし、追放する。その夜、信長と家康は2人きりで対じし――
第27話のレビュー
最期のときが迫っている。織田信長(岡田准一)を討つ決意をした家康(松本潤)。計画を伝えたときの平八郎(山田裕貴)の目の輝き。家康に失望したり、期待したり、失望したり。それでも家康に希望を抱いている人なのだろう。
家臣団の反応はさまざまだ。
賛成派もいれば反対派もいる。が、酒井忠次(大森南朋)により、「殿を守る」で一致する。
信長を討つ計画は万全。妻と息子を亡くしてからの3年でいかに家康が変わったのかが分かる。
計画のうちに含まれるのが、信長に招かれた安土城でのふるまいだ。信長を討ったあとに、自分が討たれてはかなわない。信長が重用している武将たちは揃って各地に散らばっていた。残っているのは明智光秀(酒向芳)のみ。その明智を遠ざけるための計画。
出された料理……鯉が匂う、と言う。明智の準備に不備があったとするのだ。
無理をして食べようとする家康に、信長はやめておけ、と制する。
この日のために準備を重ねてきた光秀は心外そうだ。
そんなはずはない、家康が高貴な料理に馴染みがないからだろう、という。
怒りをあらわにする信長に、光秀は信長が言ったとおりに、と口走る。
光秀は、家康の料理に毒を盛ることができると信長に提案していた。酒宴にも関わらず、緊張感があったのは、家康も家臣団もそれを警戒していたからだろう。万千代(板垣李光人)だけもりもり食べていてかわいい。ずっとそのままでいてほしい……。
信長は光秀の提案を退けたのだろう。なんとなく、そういう姑息な真似はしない、見せないイメージだ。
どちらかというと、「鯉が匂う」ことより光秀の言動そのものがとても無礼である。家康にも、そして信長にも。
見事、明智を遠ざけることに成功する。
そしてその日の夜。信長は家康ひとりを呼び出す。
信長は、家康が自分を討とうとしていることを察していた。
家康の妻子を奪ったことに触れ、謝ってほしいか、と問う。しかし、信長は「謝らんぞ、くだらん」と言い放つ。ここまで、自分自身を抑え込んでいた家康だったが、これには怒り、感情をあらわにする。
信長は「だからお前に俺の代わりは無理なんじゃ」と言い放つ。
人を殺すということは、その痛み、苦しみも、恨みを全て受け止めるということ。10殺せば10の痛み、万殺せば万の痛み。
「俺は誰かに殺される。誰よりも無残に」
家康にできるのはせいぜい信長を支えることぐらい。
恨んでも憎んでもいい。俺をそばで支えろ。
なんという、熱烈なラブコール。
しかし、家康も受け入れるはずがない。
そんな家康に信長はわずかな手勢で本能寺に入る。覚悟があるなら自分を討て、と言う。
「待っててやるさ」と。
家康が去ったあと、立ち上がる信長の後ろ姿。力なく見える姿が辛い。ここまで、信長は圧倒的な強さとカリスマ性を見せていた。
が、今回どこか老いを感じる姿はもの悲しさがある。だからこそ、信長は家康にそばにいてほしかったのかも。
周りを信じろと教えられた家康と、誰も信じるなと教えられた信長。
ふたりの運命をかつての教えが分かつのか。
信長は予告通り、わずかな手勢で本能寺に入る。
その知らせを聞いた家康は、本能寺にて信長を討つことを決意する。
……が、知っての通り、信長を討つのは明智光秀だ。
「来たな、白兎」と思ったら明智光秀なのはさすがに信長がかわいそうなのだが。
しかし、望む死に方ができないのも、信長が背負わなければならない業なのか……。
無敵に感じられた信長。その姿をしっかりと見届けたい。
※この記事は「どうする家康」の各話を1つにまとめたものです。
→元記事はこちら
→目次へ戻る
「どうする家康」をU-NEXTで見る
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)NHK