<最高の教師 1年後、私は生徒に■された>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
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「私は、何でもします」——— 3年D組全員が心の底から笑って卒業できるように、そして自分自身が1年後“生徒に殺されないため”に、この教室を変えなければならない…強い覚悟を持って『2度目の1年』に臨む高校教師・九条里奈(松岡茉優)。
前回の人生で寄り添うことができなかった生徒・鵜久森(芦田愛菜)に起きていた仕打ちを文字通り“何でもして”暴きだした九条は、教室に一つの変化の兆しを与えたのも束の間、夫・蓮(松下洸平)から離婚届を突き付けられてしまう。理由も分からないまま離婚を受け入れた前回と同じ轍は踏みたくないと思う九条。でも一体どうすれば…。思い悩む九条を、突如、目出し帽をかぶった男たちが襲う!彼らの目的とは…!?
一方、3年D組の教室は週明けから様子が一変。今まで鵜久森を無視していた生徒たちが、何事もなかったように笑顔で鵜久森に話しかけてくるのだ。奇妙なほど『普通』な教室の空気…。そんな中、親の借金に苦しめられている瓜生(山時聡真)の『ある瞬間』が気になった九条は家庭訪問と称して瓜生のアパートに乗り込む。そこで九条が見た光景は——— 。お金の価値、友情の真意を問う、涙の授業が始まる———
第2話のレビュー
必ず題材になるだろうと思っていた、いわゆる「毒親」エピソード。今回のメインキャラとなる瓜生陽介(山時聡真)は、14歳の頃からバイトをし、その給料をすべて家に入れていた。母親はあからさまに無職(または水商売か)で、息子の陽介が持ってくる現金を高い化粧品や洋服につぎ込んでいる。まだ小さい弟が二人いるにも関わらず。前回、瓜生は九条里奈(松岡茉優)から現金を騙し取っていた。金のことで困っているのは、あながち嘘ではなかったのだ。
九条は「なんでもする」最高の教師だ。西野美月(茅島みずき)らによる、鵜久森叶(芦田愛菜)へのイジメ行為は、表面上、落ち着いている。しかし、瓜生を取り巻く不穏な動きを、わかっていて見過ごす九条ではない。放っておいたら、一年後の卒業式の日、殺されてしまうかもしれないのだから。
家のこと、金のことで困っている瓜生に対し、九条は「そうやってずっと待つんですか?向こうが変わってくれることを。そんなに大人なんて、期待できる存在ですか?」と説得。瓜生の母親にも対峙し、変な小細工はなく、真正面から問題に向き合った。
瓜生は悩んでいた。困っていた。14歳の頃からアルバイトをし、稼いだ金はすべて母親に渡していたが、それが家族のために使われることはない。母親の化粧品や洋服、果ては知らない男のために消えていた。そんな現状に、ほとほと困り、それでも何も言えずにいた。相手が母親だったからだ。
“愛する息子たち”のために、母親=大人が変わってくれることを、心のどこかで期待していたのだろう。
九条が言い放った「大人なんて、期待できる存在ですか?」は、もちろん瓜生の心も動かしただろうが、むしろ大人の側にこそ刺さる言葉ではないだろうか。「子どもの手本になれる生き方をしています!」なんて堂々と言える大人が、どれくらい存在するか知れない。
母親に対し、言いたいことは言えたのか、と九条から問われた瓜生は、最後の最後でようやく決壊した。「許すわけねえだろ!俺のほうが!あんたのしてきたこと全部!」「許さない、絶対に許さない」と涙ながらに訴える瓜生の姿は、早くもこのドラマの名シーンとして語り継がれることになるはずだ。
問題は簡単には解決しない。ドラマだから、綺麗に終わりがついたように見えてしまうが、この母親が改心するかは断言できない。瓜生が決死の覚悟で伝えた思いも、なかったことにされるかも知れない。
それでも、瓜生は許さなくていい。母親がしてきたこと、されてきたことをひっくるめて「ずっと許さない」選択ができる。そして、母親を許さないと決めた彼は、鵜久森に許されない。“被害者”であるからといって、“加害者”である立場は消えないからだ。
手を染めた悪事はそう簡単に消えてくれない。背負った責任から逃れるのではなく、その重みにどう耐え続けるか、難しさと覚悟を提示するドラマだ。
※この記事は「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」の各話を1つにまとめたものです。
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