<最高の教師 1年後、私は生徒に■された>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
▶︎「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」画像をすべて見る
「私……今、2周目の人生なんだ」——— 九条(松岡茉優)は、離婚の話を撤回してくれた夫・蓮(松下洸平)にこれまで自分が体験した『2週目』の人生を打ち明ける。とは言え、こんな話を簡単に信じてもらえるわけがない……そう思っていたが、蓮の口からは意外な言葉が飛び出てくる——— 。
それから1か月、3年D組には静かな時間が流れていた。鵜久森(芦田愛菜)は東風谷(當真あみ)と阿久津(藤﨑ゆみあ)と仲を深め、ついに週末に一緒にお出かけをすることに。鵜久森の周りは緩やかに良い変化を見せ始めていた。その光景にイラ立つ西野(茅島みずき)たちのグループは、九条の担任変更に失敗してからというもの、次の一手を出すこともできず、相楽(加藤清史郎)も不気味な沈黙を続けている。
そんな中、前回西野からの指示にミスを生んでしまった江波(本田仁美)は、常に友人の顔色をうかがって過ごす日々を送っていた。友達という『居場所』を失うことを必要以上に怯える江波。——— と、そんな中、江波は幼馴染の浜岡から想いを告げられ、その返答に迷っている最中だった。すると突然、教室に校内放送が鳴る。——— 「3年D組の江波さん、化学準備室まで来てください」。その声の主は九条であった。
「何?急に呼び出して」…なぜ呼ばれたのか全く心当たりのない江波に、九条が問う、「昨晩、浜岡修吾さんという方から交際を申し込まれましたか?」。急に事実を突きつけられ驚く江波。九条は自身の1周目の人生と状況が変わっていないことを確信すると、「その方とは金輪際、関りを断ってください」と告げる。訳が分からずあっけにとられる江波に、九条は衝撃の未来を告げる…「2023年8月31日。江波さんが持っていたカッターナイフで、浜岡さんを刺すことになる日です」——— と。
人を愛するとは何か、自分自身が『居場所』と感じるものは何か。寂しさが覆いかぶさるこの世の中へ、すべての世代に胸の高鳴りを与える第4話……始まる。
第4話のレビュー
いわゆるタイムループものには、いくつかの“お決まり”がある。大体の作品に共通しているのは「タイムリープの原因となった事件があること」、そして「複数のタイムリーパーがいること」。
この「最高の教師」において、もちろん前者は「九条里奈(松岡茉優)が卒業式の日に殺されたこと」である。合わせて後者の可能性も十分にあると考えると、もう一人のタイムリーパーは星崎透(奥平大兼)ではないだろうか。
4話放送後、視聴者の予想は一気に“星崎真犯人説”になだれ込んだ。これまでの主な星崎登場シーンといえば、鵜久森(芦田愛菜)を吊し上げる仮の学級会において、九条が教室にやってくることを事前に知らせたときのみ。あとは良くも悪くも中立的に、場の空気を静観しているだけだった。
彼の様子が変わったのは3話の最後。九条や鵜久森らが準備室で昼食を摂ろうとしているときに、「こんなところでたまってたんだ〜」とフラットに入ってくる。このとき、学校生活がとてもつまらなく退屈だと思っていたが、九条先生が“ヤバい”おかげで、最近はまったくそんなことがない……と彼自身が告げている。
そして、九条本人に「先生の映画を撮らせてください」と頼む。何を言っているのかわかりません、と少し驚き気味に返している九条の様子を見ると、一周目では起こっていなかったやりとりなのだろう。
もちろん星崎が「映画を撮らせて」と言い出したのは、九条が2周目の人生において“本気の授業”を始めたからに他ならない。
しかし、星崎の絶妙なポジションは1周目でも大差なかったはず。問題児ばかりが集められたという3年D組において、片方に偏らず飄々と立ち回る彼の姿は、1周目の九条の目にも入っていたのではないか。
現時点で、九条の中における星崎の重要性が高いようには見えない。言ってしまえば彼女は、卒業式の日に自分を殺す“容疑者”から、早々に星崎を外しているように見える。それは、彼が特段、九条への恨みに繋がるような事件を1周目で起こしていなかったからだろう。
星崎=真犯人、というよりは、彼は九条と同じくもう一人のタイムリーパーなのではないか。そして、九条を殺した真犯人の正体を知っている。
そう仮定すると、九条と同じタイミングでタイムリープした星崎が、最初は様子見のために中立を保ち静観していたのも納得できる。九条がどうやら愉快なことをやっている、自分を殺した真犯人を2周目の人生で見つけようとしているのでは? と察した星崎は、“九条派”に入り「映画を撮らせてくれ」と宣言することで、自身がカメラを持ち歩く姿に違和感がないようにした。
4話の終盤、居酒屋にカメラを忘れたら予想外の映像が撮れた……と鵜久森たちに告げるシーンも、伏線の宝庫である。
そもそも彼はカメラを忘れたのではなく、意図的にカメラを仕掛けている。スイッチを入れるシーンが入っていたのは、それを視聴者へ知らせるため。
九条と栖原竜太郎(窪塚愛流)が“未来の日付”について話しているシーンが撮れたのも、星崎自身がタイムリーパーであり、栖原や江波美里(本田仁美)をめぐる事件のことを知っていたからではないか。
撮れた映像だけで「ピンときちゃって」「九条先生はタイムリーパーなんじゃないか」と当たりをつけられるのも、自身も同じ状況だからと考えれば合点がいく。得意げに話す星崎を見る、鵜久森の意味深な目線も気になるところだ。少々無理やりだが、鵜久森も“人生2周目”だとしたら……?
星崎=真犯人説よりは、もう一人のタイムリーパー説を推したいところ。しかし、あまりにも学校生活や人生そのものがつまらない、と嘆いた星崎が、平和な学校生活に刺激を求めて九条を殺した、いわゆる“愉快犯”だと考えることもできる。
そもそも真犯人が3年D組の生徒だとは限らない。そうなると、このドラマが根底から覆されることになってしまうが。
※この記事は「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」の各話を1つにまとめたものです。
→元記事はこちら
→目次へ戻る
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)日本テレビ