<ちむどんどん・東京編(2)>51回~75回の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第59回はいろんなことが起こりました
暢子(黒島結菜)が事務所を訊ねると智(前田公輝)がぶっ倒れていました。頑張り過ぎてしまったようです。独立したばかりで社長兼従業員なものだからピンチ。そんなとき三郎(片岡鶴太郎)が県人会パワーで助けてくれました。なぜか和彦(宮沢氷魚)まで……。新聞社がおやすみの日なんですね。
「こっちに身寄りがいないんでしょ」と房子(原田美枝子)が気を利かせて暢子に店を休んで看病するように言います。暢子はお休みの日ではなかったんですね。
もう指摘するだけ虚しいのですが、6年も東京にいて、身寄りのなさをここで認識するのもなあという気もします。
沖縄から東京に来て、肩寄せあってあまゆを唯一の拠り所にしていたらいろいろありそうですよね。最初の1、2年はとくに。暢子だって早苗以外女友だちがいないようですし。
都会の孤独と、なにくそという野心と、同郷の仲間意識と……いろいろな感情が渦巻いていたであろうと思うのですけれど……。6年、時間を飛ばす必然性ってなんだったのだろう。暢子の修業時代が長いと早送りされそうと思ったのでしょうか。
看病している暢子のところに和彦が来て、
「彼女(愛)に対する不信感とか愛情の薄れではなく、おそらく……」などと言い出します。
その日、愛があまゆにやって来て、見送りの途中、愛にハグをせがまれその流れでキスしようとしたら暢子が通りかかってと矢継ぎ早に進行します。
「隠れたらいいのに」と「あさイチ」で博多華丸さん。最適解です。第58回では智が電話しているときには機敏に隠れたのに。なぜ、ここでは棒立ち? それほど動揺したのでしょう。あるいは、本能的に、あえて気づかせるようにしたのか。無頼派な匂いのする比嘉家であれば、後者も考えられます。
「彼女(愛)に対する不信感とか愛情の薄れではなく」という和彦。だとしたら、
もう余計な感情をハンパに振りまかず、愛と結婚して。キスしようとして目をつむってじっとしている愛が可哀相になりました。朝ドラでいつも気になるいかにもセットでのラブシーンは全然、ムードがなくて、滑稽に見えて切ないです。
しかも、愛は自分があまゆに来ることを和彦に忘れられていたことを薄々気づいています。
賢秀(竜星涼)は石鹸のセールスに来た多田直美(安野澄)にすっかり夢中。自分は社長だといい顔をして、フォンターナのランチに誘いますが、彼女の会社の社長・樋口(塙宣之)もやってきて、さらに社員が5人ついてきます。そのひとりずつに一本ボトルを頼んでしまうというわかってなさもやっぱり切ないし、そもそもそのお金はどこから……。
お金を大事にしない描写は本当にこの不況の時代、きついです。会社でいやな目に遭う描写よりしんどい。
勝手に直美とうまくいっていると勘違いして調子に乗るのは智と同じで、じつは直美が社長と婚約していて肩透かしを食らうのは歌子(上白石萌音)と同じです。兄妹+智そろって同じこういうことを繰り返すことにいったいどんな狙いが隠させれているのか、今後が楽しみです。
比嘉家は世間知らずで思い込みの激しい家族です。念願の教師に戻った良子(川口春奈)は生徒に厳しく当たって問題視されてしまいます。
生徒の教育に一生懸命で、実の娘・晴海は歌子に任せっきりの良子。子を持つ者の教師という仕事はなかなか矛盾をはらんでいます。料理人が家では料理しないのとはわけが違う気がします。
問題山積み。明日はすっきり解決するでしょうか。
※この記事は「ちむどんどん」の各話を1つにまとめたものです。
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