<ちむどんどん・東京編(2)>51回~75回の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第72回:和彦、記者歴何年めなんだ?
急に違うドラマがはじまったかと思ったと感じるのは朝ドラあるある。第72回も急にムードが変わって敬虔な空気が漂います。ある意味これも日常の合間の特別なエアポケットのような時間でしょうか。
ウークイと呼ばれるお盆の送り火を行う日、亡くなった方を送る行事で、御三味という料理を作るのがならわしのようです。
比嘉家でも、鶴見のあまゆでも、遺骨収集をしている嘉手刈(津嘉山正種)の家でも。
嘉手刈を取材に来た和彦(宮沢氷魚)は最初はあしらわれます。
必ず聞き出しますよ、とやる気の和彦に田良島(山中崇)は「おまえ何様だ?」と叱る。当たり前ー。視聴者のほうがわかってる。
最初はこーゆーわきまえないことをしてしまうこともあるとはいえ、和彦、何年記者やってるのか。最初にイタリア人シェフにやらかしたときから成長していない。
今日は特別な回だから小姑トークしたくないのだが、特別なことを描くためにも手順があるでしょう。
せっかく、沖縄の歴史を語り継ぐ必要性を説くエピソードなのだから、そこに至るまでを丁寧に繊細に描いてほしかったなーと惜しい気持ちになりました。
ただ現実は和彦のように考えなしにずけずけ踏み込んでしまう人が少なくないのでしょう。彼は若気の至りの代表格で、こんなふうになんにもわかっていない人が徐々に歴史に理解を深めて行く。その大事さを描きたいのだろうと想像もします。
6年記者やって、わりと真面目な勉強家なのにこんな基本的な礼儀を知らないように描かれてる和彦がかわいそうですが。
そして結局、房子(原田美枝子)が活動に寄付をしていたことで取材もできるようになります。
取材にはコネや運も大事とはいえ、ライターをやってる身からしたら、こんなに容易に相手の懐に入れて良いですね〜とうらやましくなりました。ドラマだからそんなものですけど。
田良島も沖縄の取材をしていたことが判明。すべての縁が沖縄につながっています。
一見ご都合主義的ですが、房子が「あの子(暢子)がこの店に来てからいろんなことが動きだした気がする」と言うことで魔法の世界になり、なんでもありです。
優子(仲間由紀恵)が家族に内緒で遺骨収集をしていたことも、前からなにか秘密の行動をしていたと4兄妹が認識していた後出しで辻褄合わせになりました。
いよいよ4兄妹が母の秘密を知る時が来ました。
巫女の家系だというファンタジーになっても驚きません。
でもきっと、沖縄のことをものすごく真摯に考えて作っているのだと思います。
※この記事は「ちむどんどん」の各話を1つにまとめたものです。
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