<舞いあがれ!・ 工場編>12週目~17週目の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第72回のレビュー
「向かい風に立ち向かう舞ちゃんとめぐみさんの挑戦がはじまりました」
(ナレーションさだまさし)
第16週「母と私の挑戦」(演出:原田氷詩)のはじまりのナレーションはじつに端的でした。めぐみ(永作博美)が社長になり、舞(福原遥)はハカタエアラインの内定を辞退し、会社の再建をめぐみと共にがんばることになります。報酬なしで働くのでしょうか。社員の人たちは舞が内定断って会社に全力を注ぐと聞いて一瞬驚きますがすぐに冷めた態度になります。自分たちにはまったく関係ないという感じです。
めぐみの社長体勢で経費削減と在庫処理、人員整理を行い、融資の返済期限を半年延ばしてもらい、それまでに経営を立て直すことになります。
在庫処理と人員整理って似てますよね。胸が痛いです。
舞は梱包のみならず営業に行くことになりました。まずは電話営業。断られたら、飛び込み営業。先輩社員・藤沢(榎田貴斗)にならってがんばりますが、やったことのない営業をひとりでやるのはなかなか大変で……。
営業に力入れますとめぐみは言ってますが、そもそもIWAKURAって営業力が不足してないでしょうか。営業部員少な過ぎますよね。これまで長年のつきあいでやってきて営業いらなかったのかな。
飛び込み営業して、目の前で居留守使われてもがんばる舞。
以前、浩太(高橋克典)が営業にいって信頼関係を勝ち得た会社にも行ってみます。が、「お世話になりましたんや」と言うからなにかしてくれるかと思いきや、簡単に信用できないと厳しい。会社の製品を理解しているのかと問われ、舞は勉強する気になります。単純に人情話で解決しないところがいいですね。
「無駄に張り切ってはるわ」と山田(大浦千佳)は相変わらず毒舌。
山田はメイクしながら舞のまじめな話を聞いたりして。口も悪いうえに、合コン三昧で、仕事中に口紅塗っているのって態度悪い。
まじめに考えると、舞に彼氏いるか聞くことは、同性同士ならハラスメントにならないのでしょうか。残念ながら、ドラマの時代設定、2009年時点ではまだハラスメント意識は日本では根付いていませんでした。さかんに言われるようになり制度が整っていくのは10年代に入ってからです。それ以前は山田のような存在がはびこっていたのであります。いくら仕事ができたとしてもこんな人はまず最初に辞めてもらってほしいですが、「あさイチ」でもそのうち、いいところが出てくると思って見ているようで……。そういうお約束(感じの悪い人もあとから変わる)前提で見ていないとやっていられません。
なぜ山田がリストラされないのか。こういう憎まれっ子キャラがアクセントになっているのはわかります。たぶん、このひとがいないと、いまの展開、リアルにしんど過ぎるのです。どこにぶつけていいかわからないもやもやを山田腹立つ〜、リストラされろ〜と思うことで視聴者の気持ちが解消できるのだと思います。いなくてはいけないキャラなのです。
向かい風のなかでも、「これから忙しくなるやろうけど晩ごはんは一緒に食べような」と舞がめぐみに言いながら夕飯を食べるところなんかは朝ドラらしさなのだろうなあと思います。
【朝ドラ辞典 転職(てんしょく)】朝ドラのヒロインが職業を変わることはよくあることなので気にしてはいけない。
※この記事は「舞いあがれ!」の各話を1つにまとめたものです。
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