続・朝ドライフ

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2023年01月22日

<舞いあがれ!・ 工場編>12週目~17週目の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<舞いあがれ!・ 工場編>12週目~17週目の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第62回のレビュー

「ええ仕事は機械の手入れからはじまる」

↑これが浩太(高橋克典)の口癖。手塩にかけて大きくしてきたIWAKURAが経営難に陥り、社員のリストラを余儀なくされます。まずネジの最終点検、梱包を担当しているパートの中年女性3人に辞めてもらうことになります。その仕事を誰がやるか? めぐみ(永作博美)は手一杯ということで舞(福原遥)が引き受けます。そうですよ、めぐみの仕事が増えたらまた第1週のようにボロボロになってしまいますから。

浩太の会社を案内される舞。大きくて立派な工場だなあと感心する舞ですが、これが躍進状態のときなら盛り上がるでしょうけれど、会社が風前の灯のときですから、ちょっとさみしく感じてしまいます。まあ、こんな立派な会社をなくしてはならないという思いにもつながるのかもしれませんが。

ベテランパート3人に仕事を教わる舞。母がやっているのを見たことはあったとはいえやるのははじめて。おずおずとやっていると西口(マエダユミ)に「こないなお嬢ちゃんにうちらの後釜がつとまるんやろか」と言われてしまいます。これは先週の次週予告にも出てきたもので、朝ドラ久々の「いびり」かと思ったら、それは一瞬でした。パートさんたちは潔く辞めていき、舞に
商品梱包の仕事は最後の砦や

と名言を残していきます。

よくよく見返すと、「こないなお嬢ちゃんにうちらの後釜がつとまるんやろか」も語尾が微妙にきつくない、心配してるだけのようにも聞こえるのです。

引き継ぎのときに「素人でもできる仕事や思われてるから真っ先に切られんねやろ」(入江〈那々實あぐり〉)「うちらがどないな思いで働いてきたかもしらんと」(日高〈林英世:「カーネーション」で岸和田ことば指導を担当されています。〉)と嘆きもしますが(当然です)、誰でもできる仕事ではない、機械では気づけないネジの傷を目視してはじく。それが会社の信頼に繋がっているのです。

経営状況が悪化すると末端から切っていく、賃金を安くするため新人に入れ替えるなどがまず実践されますが、末端は誰でもいいわけではなく、自覚をもって工夫して仕事をしている人たちが支えているのです。それを切ったり変えたりしてしまったら土台が崩れてしまう。これをやって平気な経営者は自分だけお金を儲けたいと思っている個人主義のひとです。社会のことを見ていません。

浩太はそれをわかっていないひとではありません。経営が上向いたらまた呼び戻そうと考えているようです。とはいえ、3ヶ月前くらい猶予がほしいですよね。1ヶ月もなく辞めてもらっているように見えましたけれど。3ヶ月ほど、浩太の貯金から支払っていたから許してねということでしょうか。

舞はなにわバードマン活動でみんなの思いを背負って飛ぶことを知っています。パートさんの思いも背負ってねじを梱包しないとなりません。

大事なパート3人にクレジットでは苗字しかなかったのがちょっと残念と思いましたが、劇中出てくる履歴書には西口智子、日高多恵子と名前がありました。きっちり志望動機が書いてあって真面目なやる気のある人達だと思わせます。


【朝ドラ辞典 いびり】

かつては姑、小姑の嫁いびりが定番であったが、最近は視聴者のストレスになるようなしんどい描写は減っている。

※この記事は「舞いあがれ!」の各話を1つにまとめたものです。

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