<舞いあがれ!・ 工場編>12週目~17週目の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第81回のレビュー
長井金属工業の機械を借りてニッケルねじの試作を繰り返す舞(福原遥)たちですが50回やってもうまくいかず悩んでいると、小森(吉井基師)が手伝ってくれてうまくいきそう。97年の歴史を誇った長井金属工業の機械が役に立ってよかったと考えるべきか……。うめづで内々の送別会が行われました。たぶん、IWAKURAとしてのお礼の会みたいなものでしょう。長井金属の人たちは小森以外、ひとりもいないので。東大阪の町工場仲間との大々的な送別会も別途行われるのでしょう。
長井社長(や乃えいじ)が「普通の女の子に戻ります」と剽軽なことを言います。それだけ辛いのでしょう。97年、あと3年で100年だったのに惜しい。だからこそ、飲み会みたいなこともあまりやりたくなく、ひっそりとやりたかったのかもしれません。この会すら断っていたかもしれないと想像してしまいます。なにしろ、会社をたたむこともあまり言ってなかったようですし。
長井さんの存在意義は、小森を4年間、雇っていたことにもあります。リストラするしかなかった小森を引き受けて、ここまで給料を払ってきたのです。小森を引き受けてくれていなかったら、今回のピンチに小森が助けてくれることもなかったでしょう。
小森を引き取ったばかりに廃業……っていうわけではなくもっと大きな問題なのでしょうけれど、なんだかもやもやします。そこで考えたのは、IWAKURAは意地でも辞めない選択をする例であり、長井は潔く辞める選択の例。どちらも人生にはあるということなのです。長井のような選択もあっていい。
というところで、あっていいの例としては、もうひとつ、行きつけの店ノーサイドでのプロポーズです。久留美(山下美月)は八神(中川大輔)にプロポーズされましたが、元バイトしていた店。それもとてもカジュアルな。
熊野律時チーフプロデューサーは、よく知っている店がいい、と語っています。例えば、月9「監察医 朝顔」では、行きつけのもんじゃ焼き店でプロポーズされたヒロインはいささか不満げでした。その気持ちもわからなくないし、そういうのがない久留美は久留美で本当にいい子だなと感じます。これもまた、どちらでもいいのでしょう。それぞれの価値観の違いを尊重したいと思います。
貴司(赤楚衛二)は短歌賞を受賞。状況が一変しそうな予感?
舞も貴司も久留美も27歳が転機になりました。
【朝ドラ辞典 プロポーズ(ぷろぽーず)】人生で大事な転機。たいていは男性のほうから言い出すが、「ごちそうさん」(13年度後期)ではヒロインから言った。「あなたを一生食べさせます。だからわたしを食べさせてください」(第24回)
※この記事は「舞いあがれ!」の各話を1つにまとめたものです。
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