<らんまん・植物学者編(2)>21週~24週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
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2023年4月3日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「らんまん」。
「日本の植物学の父」と呼ばれる高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。激動の時代の中、植物を愛して夢に突き進む主人公・槙野万太郎を神木隆之介、その妻・寿恵子を浜辺美波が演じる。
CINEMAS+ではライター・木俣冬による連載「続・朝ドライフ」で毎回感想を記しているが、本記事では、万太郎が植物学者の道を邁進し、寿恵子が新たな仕事を始める21週~24週までの記事を集約。1記事で感想を読むことができる。
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もくじ
・第101回のレビュー・第102回のレビュー
・第103回のレビュー
・第104回のレビュー
・第105回のレビュー
・第106回のレビュー
・第107回のレビュー
・第108回のレビュー
・第109回のレビュー
・第110回のレビュー
・第111回のレビュー
・第112回のレビュー
・第113回のレビュー
・第114回のレビュー
・第115回のレビュー
・第116回のレビュー
・第117回のレビュー
・第118回のレビュー
・第119回のレビュー
・第120回のレビュー
・「らんまん」作品情報
第101回のレビュー
明治26年、8月。森有礼(橋本さとし)が暗殺されたのが明治22年、田邊(要潤)が校長をつとめた女学校が廃止され、帝国大学からも非職を言い渡されたのが23年。そのまますぐに大学を出たのではなく、非職満期の26年まではいたのですね。
それだけ経って、やっと家族旅行の海に行くことに。満期までの間はいろいろ忙しかったのでしょう。
聡子(中田青渚)は妊娠しているようでお腹が大きくなっていました。ようやく、落ち着いて、家族の幸せを噛み締めているかの田邊家です。
その頃、藤丸(前原瑞樹)が長屋に遊び来て、万太郎(神木隆之介)の子どもたちとしばし遊びます。
「大ちゃん、うさぎと同じ体温だったなあ」うさぎが恋しいけれど卒業すると大学に顔を出しづらいという藤丸。
(藤丸)
田邊もいなくなって、大学の雰囲気が変わったからでしょう。
田邊のことは好きではなかったけれど、
「結局何もかもが政治と人間関係っていうのがさ……」と不満を漏らします。出た、藤丸のぼやき。最近、上向いていた藤丸ですが、再び、ぼやきはじめます。
万太郎も徳永(田中哲司)をいまだに「助教授」と言ってしまうことに、田邊アウト、徳永インの人事を良く思っていないように感じさせます。
代わりに教授になった徳永によって図鑑も廃刊に。ユーシー(田邊)の色を消し去ることが徳永の最初の仕事と聞くと、徳永がいやな人に思えますが、美作(山本浩司)の手前、そうしないとならないのでしょう。政治と人間関係に重きを置いた職場の場合、そこに抵触するものは排除しないとなりません。いいものを引き継ぐという考えはなく、刷新することが責務になるのです。
藤丸は第76回で、「こんなに執念深い人たちが世界中にひしめいてて」
なんてことも言っていました。野心、欲望にまみれた人たちのことをとてもいやだと思っている藤丸に共感する視聴者は少なくないでしょう。
藤丸は植物学をやっていても仕事にならないとぶつくさ。
万太郎は3年経過しても図譜の版元は見つかっていません。借金どうなったのだろう。
寿恵子(浜辺美波)はおばけの話よりも借金をこわがっているのかと思いきやーー
彼女がこわいのは、子どもたちと万太郎ーー家族に何かあることでした。そのため、大事な「南総里見八犬伝」を質屋に持っていきます。
第一子を亡くしていることを寿恵子はずっと気にしているのです。寿恵子が家族の無事を祈っているとき、鎌倉の海で田邊が溺死していました。
田邊のモデルの谷田部良吉は明治32年に海で亡くなりました。大学を辞めてから数年後です。田邊は、大学を辞めてすぐ……。ドラマのほうが矢継ぎ早に辛いことが起こってなかなかヘヴィ。寿恵子が、槙野家の家族の健康第一を考えていたとき、田邊家では一家の大黒柱に不幸が起こるという皮肉めいた話です。しかも、なかなか子供のできなかった聡子がようやく妊娠しているときに……。神様(作家)はなんて残酷なのかーー
田邊の死を万太郎は新聞記事で知ります。「ナレ死」ならぬ「新聞死」。新聞紙と新聞死は言葉遊びなのでしょうか。
【朝ドラ辞典 ナレ死(なれし)】登場人物が亡くなるとき、その場面を直接描かず、ナレーションで語ること。「らんまん」ではタキ(松坂慶子)がそうだった。「カムカムエヴリバディ」では金太や美登里などがナレ死している。「ナレ死」という言葉が流布したのは大河ドラマ「真田丸」(16年)と言われている。関連語:新聞死
※この記事は「らんまん」の各話を1つにまとめたものです。
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