<らんまん・東京編>6週~10週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第48回のレビュー
突然の竹雄(志尊淳)の帰郷宣言にショックを受ける万太郎(神木隆之介)。ところが、それは「嘘」でした。万太郎が家を出て住み込みで働くと言うからお返ししたと竹雄は言います。「えぐいき」という万太郎の言葉を、そのままこの展開に対して使いたい。ですが、竹雄がそんないじわるをするのは、それだけ万太郎に愛情があるからです。
竹雄は、前に進むためにはピカピカ笑っていることだとそれが若の全速力だと万太郎に助言します。
「……張り詰めちょったら 速う走ることらできません。健やかに楽しゅう笑いゆう方が よっぽど速う遠くまで行ける」(竹雄)
そして、ついに「若」でなく「万太郎」と呼び捨てします。
「ただの槙野万太郎」として、「万太郎」「竹雄」「万太郎」「竹雄」とただ呼び合うだけの場面がほのぼの。
こうして、朝ごはんを毎日一緒に食べて仲良く語り合う関係に収まり、竹雄がすっかり上目線になって、万太郎は妻の尻に敷かれる夫みたいなことに。寿恵子(浜辺美波)と竹雄が交代するのはまだ先のようです。
寿恵子はダンスのレッスンに励んでいます。とそこへ、高藤(伊礼彼方)が現れ、横浜の屋敷に住まないかと打診されます。いわゆる妾宅です。
「あなたを人生のパートナーとして迎えたい」という言い方をする高藤。「妻」はそれだけ、親が決めただけで、恋心を抱いたことはない。妻はそれで承知していると言いますが、演奏会のときの妻のあのふくれっ面は、承知しているとは思えません。男性側の希望的観測に過ぎないのです。
そんなこと言われて、納得できるわけもなく、寿恵子は涙目に。
この時代は、納得しちゃう、開き直ってしまう女性もいたのかもしれませんが。
地位とお金のある男性は男性で、妻以外の何人もの女性に、「人生のパートナー」に迎えたいと口説いていたのでしょうか。まだ妾になれ、と率直に言われたほうが割り切れる気がしますが……。コレクション感覚で女性を、口当たりのいい言葉で口説いているとしたら、腹立たしい。
万太郎は竹雄と対等なパートナーシップを結び、寿恵子は高藤に口当たりのいいパートナーという言葉で、不平等な旦那と妾関係にされそうになっています。
寿恵子が未知なる世界で、「キープ!」と叫びながら体幹運動を経験し、戸惑いまくっていることに比べ、万太郎は印刷工場へ、スーツを脱いで労働着で出社し、”ただの槙野万太郎”として働こうとします。失敗もしますが、へこたれずニコニコしている彼は、みるみる、みんなに好かれていきます。
労働着がおしゃれで、ともすれば、やっぱり暢気なお坊ちゃんの道楽と思われそうですが、みんな、「いい顔になった」と好意的。ただひとり、きつい女性・大畑佳代(田村芽実)が現れますが、この人がデレるのもおそらく時間の問題でしょう。
この記事は「らんまん」の各話を1つにまとめたものです。
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